今年はサンマが不漁ってほんと?庶民が食べられなくなる?外国船の影響?秋の味覚サンマについて知ろう

今年はサンマが不漁ってほんと?庶民が食べられなくなる?外国船の影響?秋の味覚サンマについて知ろう

2019年はサンマが不漁といわれている

秋の味覚の主役と言えばサンマですよね。塩焼きでも刺身でも美味しいまさに日本の味といった感がありますが、このサンマについて『今年は大変な不漁だ』といったニュースを目にした方も多いのではないでしょうか?

みんな大好きサンマちゃん
みんな大好きサンマちゃん

はたしてそれは本当なのか、今年は庶民がスーパーでサンマを買って食べることができなくなるのでしょうか?今回は水産庁や水産教育・研究機構などの様々な資料を確認し、サンマの行く末に迫ります。

今回使用した資料はこちら↓

国立研究開発法人 水産研究・教育機構webサイトより:令和元年度 サンマ長期漁海況予報http://tnfri.fra.affrc.go.jp/press/h31/20190731/20190731sanmayohou.pdf

サンマは毎年お盆明けごろに本格化

サンマは例年、7月終わりごろから8月上旬にかけて刺し網漁が行われ、そのころのサンマは初サンマとして非常に高値をつけてニュースになります。

これは市場に出回りだした直後。卸価格で1尾300円くらい
これは市場に出回りだした直後。卸価格で1尾300円くらい

その後お盆明けの中旬ごろに棒受け網(ぼううけあみ)と呼ばれる漁法の大型船が出漁、一気に価格が下がり小売店などに並ぶようになるのです。

そもそも年々日本の漁獲量が減り続けている

日本のサンマ漁獲量(2019年は見込み)
日本のサンマ漁獲量と分布量(2019年は見込み)

出典:国立研究開発法人 水産研究・教育機構webサイト 令和元年度 サンマ長期漁海況予報より

このグラフ内にはいろんな情報がありますが、ひとまず漁獲量(青の折れ線グラフ)のみを確認してください。

日本のサンマ漁獲量は減少傾向にあるのです。なのに、去年もなんだか『今年のサンマは不漁だ!ヤバイ!』みたいな報道を聞いたような気がしませんか?しかしながら結局去年(2018年)の漁獲量は2017年よりも数万トンも多かったのです。

今年は過去最悪と言われた2017年よりは多いものの、これまでで2番目に漁獲量が少ない年になるだろうと予測されています。不漁であることは事実のようですが、どうやらまったく手に入らないという心配はなさそうです。そもそも今年だけ不漁ということではなく、不漁トレンドがずっと続いているということですね。これはウナギにも同じことがいえます。

日本に来遊するサンマの量が減っている

サンマは太平洋を広く回遊する回遊魚です。日本には秋にかけて北海道や三陸沖に現れ、そのまま南下して冬に産卵するといわれています。(下記図を参照)

サンマの回遊経路はこんな感じ
サンマの回遊経路はこんな感じ

出典:国立研究開発法人 水産研究・教育機構webサイト 令和元年度 サンマ長期漁海況予報より

中国・韓国が獲りすぎているから減っている!というのはホント?

サンマ報道でありがちなのが『外国船の漁獲による影響』ですよね。私たちのイメージにもなんとなく中国や韓国が獲りすぎているから減っているのではないかというイメージがあると思います。

世界各国のサンマ漁獲量
世界各国のサンマ漁獲量

出典:国立研究開発法人 水産研究・教育機構webサイト 令和元年度 サンマ長期漁海況予報より

しかしこのデータを見てみると、世界で最も多くサンマを漁獲しているのは日本です。実は中国や韓国の漁獲量は日本と比べると少ないんですね。(かなり伸びてはいますが)

自然の海のものだから毎年安定して獲れるわけではないことを理解しよう

サンマをはじめとした海の生き物は、当たり前といえば当たり前のことなのですがその年によって来遊する時期や量が異なります。

魚の漁獲量や資源量の測定はまだまだ困難
魚の漁獲量や資源量の測定はまだまだ困難

出典:国立研究開発法人 水産研究・教育機構webサイト 令和元年度 サンマ長期漁海況予報より

人類が安定した食料生産を目指して行っている農業でさえ天候や生育不良で生産量が安定しないことはザラです。生産を自然に任せている水産物の生産量はその年によって変動するものです。

まとめ:日本沿岸への来遊が遅れているだけのようです

『令和元年度 北西太平洋サンマ漁況予報』では素人でもわかるようにいい感じにまとめてくれています。それによると、

■日本への来遊量は、2018年を下回る。9月中旬までの来遊量は非常に少ない。しかし、9月下旬以降に増加する。
■漁期を通じて前年より1歳魚(食べて美味しいサイズ)の割合が低い。さらに、1歳魚の平均体重は2018年を下回る。
■三陸海域への魚群の南下時期は例年より遅れ、漁場形成は10月下旬となる。

ということで、9月下旬からは漁獲量も多くなることでしょう。焦って高い時期に食べなくても、きっとサンマはお手頃価格で皆さんのところに届くはずです!実際8月後半になって、1日数百トン(!)のサンマが北海道で水揚げされるようにもなっています。

水揚げのイメージ(これは銚子です)
水揚げのイメージ(これは銚子です)

●●が獲れない、不漁で困っている、というネタは昔からなぜかマスコミが大好きですよね。産地の飲食店や魚屋、お客へインタビューしてお決まりの『高くて困ってます』的なセリフが目に浮かびます。

きちんと正しい情報を確認して、自らの頭で考えることを忘れてはいけないなと感じました!

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