家で美味しく干物を焼きたい！
魚離れという言葉すら聞くことが少なくなった現代、食卓にもっとも近い魚の加工品と言えば干物ではないでしょうか。
アジの開きやサバの一夜干し、大きなホッケの開きなど、干物はご飯のおかずや酒の肴にあると嬉しい、日本人にはなじみ深い食べ物といえます。
そんな干物ですが、お店で焼いてもらったものと自宅でグリルやフライパンで焼いたもので、なぜこんなに味が違うの？と思ったことはありませんか？
美味しく干物を焼くポイント、それは干物の焼き方と扱い方によります。本記事では、豊洲市場の塩干品（干物や魚卵などの魚介類加工品）専門仲卸である【瀬古】さんに教わった干物焼き方のコツをご紹介します。
プロから教わった干物の焼き方
今回はわかりやすいように、プロに教わった美味しい干物の焼き方を3つのポイントに絞ってお伝えいたします。
ポイント1:解凍してから焼く
冷凍状態で買ってきた干物は、なるべく解凍してから焼くようにしてください。
冷凍のまま焼いてしまいがちですが、冷凍状態のまま焼くと、干物の厚みによっては表面はちょうどいい焼き加減なのに中までしっかり火が入っていなかったり、逆に中までしっかり火が入るように焼くと表面が黒焦げになったり、というように火入りのムラが出てしまいます。
事前に解凍してから焼くことで失敗も少なくなります。理想は冷蔵庫でゆっくり解凍しておくことです。解凍しすぎるとドリップが出て旨味成分を失ってしまうので注意してください。
ポイント2:しっかり水気をとる
焼く前にしっかり水気をとっておくのもポイントのひとつです。
解凍状態で焼くのと同じように火入れのムラを防ぐほか、焼き時間を短縮する効果もあります。
干物を解凍したあと、キッチンペーパーなどで水気をしっかりとっておきましょう。
ポイント3:焼きすぎない
家庭で干物を焼く時の失敗は焼きすぎであることが多いそうです。ふっくらジューシーな干物に仕上げるためには、焼きすぎて固くならないように注意しましょう。
グリルで干物を焼くときのポイント
グリルで干物を焼く際は、あらかじめグリルをよく熱しておきましょう。
グリルがしっかり温まったら干物の身のほうを上にして、中火で焼いていきます。
アジの開きの場合、腹骨のあたりが色づいてきて、縁がそり返りはじめた頃が裏返すタイミング。ジューシーな干物に仕上げるには、少し早いタイミングで裏返します。
続いて皮目を焼いていきますが、皮目は皮が破れないくらいの軽い焼き加減がおすすめです。アジの開きの場合、焼き時間は表が4分、裏が2分程度です。
フライパンで干物を焼くときのポイント
グリルは美味しく焼けるけど洗い物が面倒…。でもご安心ください。フライパンでも美味しく干物を焼くことができます。
グリルと同様、焼く前にしっかりフライパンを温めておきます。フライパンに干物を皮を下にして置き、中火で加熱します。このときクッキングシートがあるとフライパンに皮がくっついたりしないので便利です。
皮にうまく焦げ目がついて、全体的に火が入り身が白くなってきたらひっくり返し、身のほうを中火で２〜５分焼いてできあがりです。こちらも焼きすぎには注意してください。
大正11年（1922年）創業の老舗仲卸【瀬古】
今回干物の焼き方を教えてくださった豊洲市場の仲卸業者、瀬古さんはなんと1922年（大正11年）創業。
豊洲市場の前身である築地市場のさらに昔に遡り、日本橋に魚河岸があった時代から塩干品を取り扱う仲卸業者として市場内に店を構えています。
スーパー等の小売店や飲食店、通販業者など様々な業態の顧客を持つ、厚い信頼のある仲卸業者です。
豊洲市場仲卸【瀬古】へのアクセス
豊洲市場の仲卸業者「瀬古」さんへのアクセス方法をご案内します。
豊洲市場は5街区青果棟、6街区水産仲卸売場棟、7街区水産卸売場棟の3つの建物に分かれており、瀬古さんの店舗があるのは6街区水産仲卸売場棟の1階、第一通路と第二通路の間、8000番店舗番号8017です。
来場する際は市場のお休みの日（休市日）にご注意ください。また、朝8時くらいまでにご来場することをおすすめいたします。
電車で来場する場合
豊洲市場へのアクセスは公共交通機関が便利です。ゆりかもめ『市場前』駅で下車、改札を出て右手に進んでください。5分ほどで水産仲卸売場棟に到着します。
バスで来場する場合
新橋駅より都営バス【市01】系統、東陽町駅からは都営バス【陽12-2】『水産仲卸棟』バス停で下車してください。
車で来場する場合
車でご来場の場合は、豊洲市場前交差点の「千客万来パーキング」がおすすめです。
干物･塩干品の仕入れなら豊洲市場の【瀬古】へ
普段豊洲市場に足を運んでいらっしゃる方や、これから市場での仕入れを考えている方は一度瀬古さんへ足を運んでみてはいかがでしょうか。
