高級なエビといえば皆さんが思いつくのはクルマエビかイセエビではないでしょうか。イセエビよりも圧倒的に食べる回数の多いと思われるクルマエビのあれこれを、日本さかな検定1級のめだか水産広報部が今回もピチっと解説!
クルマエビとは?名前の由来からおすすめ料理まで専門的に解説!
クルマエビの生物学的特徴
学名:Marsupenaeus japonicus
(学名の種小名(後ろの名前)japonicusは、ラテン語で「日本の」という意味です。日本を代表するエビといえるかもしれませんね!)
英名:Japanese Tiger Prawn,Kuruma ebi(寿司種ではこれでも通じるみたい)
分類:エビ目クルマエビ科
旬の時期:夏と冬の2回とされる
クルマエビってこんなエビ
クルマエビはこれまでにめだか水産でご紹介してきたフラワーエビやブラックタイガーエビ、バナメイエビと同じ仲間に属するクルマエビ科のエビです。これらの仲間は水産学的にも世界的に非常に重要な種類であり、食用として世界中で漁獲・養殖が行われています。一方日本では寿司だね、天だねとして今や日本の食文化には欠かせない存在のエビであるといえます。学名はMarsupenaeus japonicusとされていますが、以前まではPenaeus japonicusと呼ばれていたように思います。生物の分類学は常に変化しているのですね。
「クルマエビ」の名前の由来は?
標準和名(日本語での正式な名前)の「クルマエビ」ですが、この名前の由来は丸まったときの体の模様が車輪(クルマ)に見えることから、というのが有力な説といわれています。たしかに丸まった形は車輪のように見える気がしますね。クルマといっても私たちが想像するような自動車ではなく、風車や風車といった用途でも使われる「車輪」の意味でのクルマです。
日本人とクルマエビの歴史
日本人は古くからエビを食用として愛してきました。縄文時代の貝塚から魚や動物の骨と一緒にエビの殻が見つかることがあるそうです。クルマエビはいまやほとんどが養殖ものですが、その養殖の歴史も古く明治時代までさかのぼるといわれています。養殖方法がいいからか、クルマエビは養殖ものでも天然と味に大きな違いがないという評価が多く、今は養殖ものが比較的安定して出回っています。
今はほとんどが養殖。沖縄県、鹿児島県などで積極的に養殖されている
クルマエビの主な生産地は九州・沖縄地方で、都道府県別では沖縄県が生産量ナンバーワンで鹿児島県、熊本県が続きます。養殖されたクルマエビは魚のように水の入ったトラックで運搬されるのではなく、なんとおがくずに包まれて運搬されます。おがくずでの運搬が考案されてからは、鮮度が良い状態で全国でクルマエビが味わえるようになりました。すばらしい発明ですね。
おがくずで運搬。数日間は元気に活きている
エビ類はザリガニを想像していただければわかるように、陸に上がっても魚のようにすぐ死んでしまうわけではありません。エラの中に水分が残っていれば呼吸をすることができるのです。また、クルマエビは海の中では泥や砂の中にもぐって暮らしています。おがくずに包まれることによって自然環境と近い状態になり、エビがおとなしくなる効果もあるのかもしれません。
クルマエビにおすすめの料理
クルマエビの特徴はそのすばらしい味と美しい色、活きたエビならではの鮮度のよさ、すぐれた食感にあると思います。できるだけ手をかけずにシンプルな料理法が一番ですね!築地のエビ屋さんも言っていましたが、クルマエビは生で食べるよりも加熱したほうが断然美味しいです。お刺身でのぷりぷりした歯ごたえは楽しいものですが、独特の旨味を味わうにはやっぱり加熱がオススメです。
やっぱりお寿司は外せない!
クルマエビの最高の食べ方といえばお寿司ですよね!握りにするのにちょうどいいサイズ、きれいな赤と白のコントラスト、かわいい尻尾。思い出すだけでまた食べたくなってきちゃいますね。ご家庭でも、すし種のような開いた状態にすることは難しいことではないのでぜひチャレンジしてみてください。
天ぷらも代表的な食べ方
スシ、とくれば次にはテンプラですよね。クルマエビのしゃきっとした食感と衣のさくさくはまさに相性抜群です。天ぷらの主役といっても過言ではないかもしれません。めだか水産では天ぷら用のエビの下ごしらえ方法も記事にしていますので、ぜひご覧ください。