2018年10月、築地市場から魚市場が移転し、ついに豊洲市場が新たに開場しました。
築地市場と同じように豊洲市場にも仲卸(なかおろし)業者がたくさんお店を構えています。
そんな仲卸業者から商品を仕入れるにはどうやって市場に入ればいい?アクセスや仲卸売場に行くおすすめの時間帯、おすすめの仲卸業者などをご紹介します。
2021年1月追記:新型コロナ対策による変更点にご注意ください
2021年1月追記:新型コロナウイルス対策で入場方法などが変更になっている場合や、緊急事態宣言を受けて営業時間が変更していたり、休業している店舗もあります。最新の情報は東京都中央卸売市場のサイトにてご確認ください。
豊洲市場の仲卸へのアクセス、売場への行き方をご紹介
はじめに:豊洲市場の【仲卸売場棟】には「見学者」は入場できません
前回、前々回の記事で一般の見学者用ルートをご紹介しました。※豊洲市場の仲卸売場には一般の見学者の方が入場することができません。ただし、買い物を目的にした方は買出人(かいだしにん)として入場できます。
もちろん飲食店や納品業者など、業務用に商品を仕入れたりする方は仲卸売場に入場することができます。
仕入れの場合でも警備員さんに止められることがありますので、その場合は仕入れや買い物にきたことを伝えてください。
仲卸売場を歩くのにおすすめの時間帯
仕入れのために仲卸売場を回るなら、朝6時から9時くらいまでがおすすめです。6時より前はまだ売場に食材や値札がそろっていなかったりする場合があり、9時以降になると逆に良い商品が売れてしまっていたり店じまいをしてしまう仲卸もあります。
豊洲仲卸売場へのアクセス
豊洲市場の最寄り駅はゆりかもめ線『市場前』駅です。東京方面からお越しになる場合は新橋駅や豊洲駅から乗車するのがおすすめです。
ゆりかもめ線『市場前』駅で下車し、改札を出て右方向の通路(水産仲卸売場棟方面)に進みます。
少し進んだ先に、1階へ降りる階段があります。1階に降りて豊洲市場の正門に向かいましょう。
※このルートは一例です。もちろん飲食店街を抜けて向かうルートもありますが、混雑を避けて最短で向かえるルートをご紹介しています。
階段を降りてまっすぐ進み、横断歩道を超えます。自転車で来場した場合は、警備員さんの指示に従ってここに自転車を停めましょう。
守衛さんのとなりに、仲卸売場へ行く階段があります。階段を降りてまっすぐ進んだ先が仲卸売場棟です。ここからはターレ(市場内を走る小型トラック)が走っている区間ですので、通行にはじゅうぶん気を付けてください。
仲卸売場棟はまさに仲卸の世界。ターレに注意して歩きましょう
仲卸売場棟に到着したら、手洗い場があるので手をせっけんでしっかり洗いましょう。豊洲市場では温水も出ますので、冬でも冷たくなくて快適ですよ。
手を洗って中に入ると、そこはターレがビュンビュン通るまさに仲卸の世界。築地の雰囲気は豊洲市場でも色濃く残っています。
それぞれの仲卸店舗は番号で区切られている
豊洲市場の仲卸売場は約500社の仲卸業者がそれぞれ店舗を構えています。仲卸店舗には『1010』『7090』『ロ-70』などの番号が振られており、それがそのまま店舗の位置を表しています。
縦列が1000~8000番、イ、ロ、ハに区切られ、横列が2桁目以降の位置を表します。入り口に地図がありますので、よく確認してから入場しましょう。この記事のルートで入場すると、手前側が1146番です。まっすぐ進んでいくと、1001番に行きつくようになります。
仲卸売場棟は大小さまざまな仲卸が存在しており、敷地も非常に広いため初めて来た方はきっと迷うと思います。
売場内には地図が少ないため、迷ってしまったり目的の仲卸の場所がわからなくなった場合は一度戻って地図を確認するか、仲卸組合(東京魚市場卸協同組合)のwebサイトから店舗検索機能を利用しましょう。
ここで豊洲仲卸の種類を紹介!特種?大物?ってなに?
豊洲市場の仲卸はそれぞれ専門分野の食材を扱っています。アジやサバなどの大衆魚が得意な仲卸、国産の生のマグロのみを扱う仲卸など実に様々です。
都内や関東近郊のすし店・天ぷら店をはじめとする飲食店、量販店など顧客に合わせて品揃えを変えていった結果、このような多様性が生まれました。
そんな仲卸たちはそれぞれ扱う商材ごとに『鮮魚(せんぎょ)』『大物(おおもの)』『特種(とくしゅ)※特殊ではありません』『塩干物(えんかんもの)』『海老(えび)』といった具合に大別されています。
『鮮魚(せんぎょ)』はその名のとおり主に丸の魚を取り扱う仲卸を指します。アジ、サバ、イワシ、カツオ、ブリなど量販店にもよく並ぶ魚を扱うことが多いです。
『大物(おおもの)』はマグロやカジキなどを主に扱う仲卸を指します。まさに大物ですね。
『特種(とくしゅ)』はすし種や天だね、割烹料理などの高級食材や貝類などを主に扱う仲卸を指します。貝の殻むきや魚の3枚卸など細かな対応が得意な仲卸が多いです。『塩干物(えんかんもの)』はシラスやちりめんじゃこ、干物、乾物や珍味などを指します。
仲卸売場にはジュースや軽食を販売している売店も!
仲卸売場にはお菓子やコーヒー、カップラーメンなどの軽食を販売している売店が点々とあります。かなり広い場所ですので、疲れたら売店でジュースでも買って休憩しましょう。
ちなみにこれらの売店はお店ごとに売ってる商品がけっこう異なります。自分の好きな売店に通うのも楽しいかもしれません。
調味料やザル・包丁、仕入れに欠かせない竹籠は4階へ
仲卸売場を回ったら、中央出入口にあるエスカレーターで4階に上がってみましょう。中央出入口は、番号で言うと『5062~5079番』あたりです。迷ったら一番外側に出て、『第五通路』と『第四通路』の間を目指しましょう。
4階は築地市場内外で営業していた機材や備品などのお店が『魚がし横丁』として一挙に集まっています。前述のとおり、4階の『魚がし横丁』は見学者の方でも入場可能です。
ここでは料理人には欠かせない包丁や、仕入れに使える竹籠、こだわりの調味料や海苔、玉子焼きなど水産物以外の食材や調理器具などを購入することができます。
初めて豊洲市場に来た方におすすめの仲卸業者
塩干品専門仲卸【瀬古】
豊洲市場の仲卸業者『瀬古』さんは創業1922年(大正11年)、まもなく創業100周年を迎える老舗です。瀬古さんは前述した豊洲市場の前身である築地市場の起源となった日本橋魚河岸時代から干物をはじめとする塩干品(えんかんひん)を扱う仲卸業者です。
瀬古さんは塩干品(干物や珍味、魚卵など)を中心とした水産加工品を取り扱い、常時100種類を超える豊富な品揃えで、本記事で紹介したような良質なスーパーやデパートといった小売店、各種飲食店に卸売しています。
全国各地の魚を日々目利きし、味の良さは当然ながら、安心・安全な食材を多くの顧客へ提供し多くの顧客から厚い信頼を得ています。
仕入れのために豊洲市場にお越しの際は、瀬古さんのお店へ是非足を運んでください。