卸売市場法改正のポイント『第三者販売禁止』の原則廃止ってどういうこと?何が変わるの?

卸売市場法改正のポイント『第三者販売禁止』の原則廃止ってどういうこと?何が変わるの?

大きなポイントである、卸売業者による『第三者販売禁止』の改正

2020年6月に施行される第3回目の卸売市場法改正。その改正点(規制緩和点)で注目されているポイントが3つあります。

それが、中央卸売市場における『仲卸業者による直荷引きの禁止の原則廃止』と、『卸売業者による第三者販売禁止の原則廃止』それから『商物一致の原則廃止』です。

これらについて簡単に説明したのが下記の記事です。卸売市場法の改正ポイントをざっくり押さえておきたい方はこちらをご覧ください。

さらに『仲卸業者による直荷引きの禁止の原則廃止』について詳しく解説したのがこちらの記事です。

そして本記事では、ポイントの一つである『卸売業者による第三者販売禁止の原則廃止』について詳しく解説します。

私たちは本サイト名が示すとおり水産業界に携わっておりますので、水産市場、とくに日本最大の取引高を誇る中央卸売市場『豊洲市場』をモデルに記述していきます。

そもそも『第三者販売』ってなに??

では第三者販売というのはどういう意味なのでしょうか。普段は聞きなれない言葉ですよね。

第三者販売を説明する前に、中央卸売市場で売買に関わるプレイヤーについて知っておく必要があります。

中央卸売市場における売り手と買い手

第一に、売り手である『卸売業者』。大卸(おおおろし)や荷受け(にうけ)とも呼ばれる、生産者や産地出荷者から魚の販売委託を受けて、仲卸業者や売買参加者へ販売する業者を指します。東京の中央卸売市場における卸売業者の数は10社です。(平成27年4月1日現在)

次に、買い手である『仲卸業者』です。仲卸(なかおろし)や仲買(なかがい)とも呼ばれます。仲卸業者は卸売業者から買い入れた魚を、卸売市場内の店舗で、魚屋さんやスーパーなどの小売店、居酒屋さんやお寿司屋さんといった飲食店などに販売する業者です。東京の中央卸売市場における水産仲卸業者の数は736社とされています。(平成27年4月1日現在)

そして、こちらも買い手である『売買参加者』です。買参人(ばいさんにん)とも呼ばれ、市場開設者(東京都なら東京都知事)の承認を受けた小売商・加工業者・地方卸売市場業者・大口消費者などを指します。東京の中央卸売市場における水産の売買参加者数は362社とされています。(平成27年4月1日現在)

参考:東京都中央卸売市場ホームページhttp://www.shijou.metro.tokyo.jp/gyosei/about/people/

第三者販売はそれらの業者以外に販売する方法

中央卸売市場の卸売業者は、その市場における上記に説明した仲卸業者や売買参加者以外への販売は原則としてに禁止されています。

原則として、ということはもちろん例外があるということ。つまり第三者販売とは卸売業者が市場内の仲卸業者や売買参加者以外の第三者に販売することを指します。

現在のところ、卸売業者でセリ残りやセリ残(ざん)とよばれる売れ残りが発生した場合や、水揚げ量が極端に多く魚が大量に入荷した場合、他の卸売市場へ卸売をする場合などには第三者販売ができるようになっているのです。

第三者販売の緩和で何が起こるの?

そして2020年6月に、『第三者販売の禁止』の原則が廃止されることになります。

これでいったい何が変わるのでしょうか?私たちの生活に影響があったりメリットがあったりするのでしょうか?

仲卸業者を経由する割合が減るかも

こちらのデータは平成30年の中央卸売市場の取引実態を示したものです。この中で、第三者販売の割合は中央卸売市場全体の22.1%とされています。

仲卸の販売の5割は量販店、専門小売(魚屋)は3割とされています。このうちそれなりに取引量の多い量販店の中には、できることなら卸売業者から直接仕入れたいと思っているところもあるはずです。

今後は、仲卸業者を経由する取引が減り、第三者販売が増える可能性があると思われます。いわゆる中抜きですね。

その場合、私たち消費者はより安い価格で魚を購入できるようになるかもしれません。

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