メダカシーズンに突入!勉強はしっかりしておこう
3月から気温、水温が日に日に上昇してきます。生き物が活発になる季節です。本格的なメダカシーズンに突入し、今年も元気な姿のメダカを見るのが楽しみな方も多いのではないでしょうか。
今年からメダカを飼いたい!という方もいらっしゃると思います。しっかり勉強してから飼育を始めることで、メダカも幸せに暮らせるのではないでしょうか。
ネット情報よりも書籍のほうが信頼性が高い
メダカの飼い方や性質・生態などはインターネットでたくさんの情報が出てきます。ネット情報も大切ですが、やっぱり信頼できるのは書籍です。
ということで、今回はメダカからマグロまであらゆる魚の勉強をしてきた筆者がおすすめのメダカの本をごく一部ですが紹介します!※本記事で紹介する本はあまり初心者向けではありません
岩松鷹司 メダカ学全書【全訂増補版】
現時点で最強のメダカ参考書!発行も2018年と非常に新しい
現時点でメダカに関する最強の学術書ではないでしょうか。生物学者の岩松鷹司(いわまつたかし)さんによる著書で、メダカの飼育方法から分類、生理、発生、遺伝などあらゆる情報が集約されています。
メダカの研究にここまで情熱をかけた方がいらっしゃるからこそ、今日のメダカブームがあるのかもしれませんね。
しかも2018年発行と非常に新しい本です。1997年に初版が発行されてから改訂を重ねています。学術書は発行時期も重要です。情報は常に新しいものを取り入れたいですね。
学術書なので論文を読める方でないと難しい
しかしこの本は初心者向けではありません。文章の記述は基本的に論文のようになっているため、理系の論文を読んだことがある方でないとなかなか内容を理解できないかもしれません。
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メダカ品種図鑑―改良メダカ273
改良メダカの品種がなんと273種掲載されている図鑑!
現在無数に存在するメダカの改良品種。なにがどう違うのか、どんな品種が存在しているのかさっぱりわかりませんよね。
そんな情報をまとめてくれているのが本著です。昔ながらのヒメダカや白メダカ、青メダカから新しい品種であるオロチメダカや乙姫メダカ、ラメメダカなどあらゆる品種が掲載されています。写真のクオリティも他の追随を許さない素晴らしいレベルです。
メダカカタログとしても非常におもしろい
昔、熱帯魚の図鑑を何時間も読んで、こんな魚がいるのか~とか買ってみたいな~と思っていた方も多いのではないでしょうか。改良メダカは高価なものが多かったり、なかなか手に入らないものも多いです。この図鑑を見ているだけでもきっと満足できるはずです!
岩松鷹司 メダカと日本人
先ほど紹介した『メダカ学全書』を著した岩松鷹司さんの著書です。こちらは文体もわかりやすく、読み物としても非常におもしろい、興味深い内容になっています。メダカの文化や歴史、人間との関わりなど、独自で価値の高い情報が詰まっています。
特に印象に残った内容
メダカを食べる!?食糧としてのメダカ
なんとこの本によれば、メダカは食糧として利用されていたことがあるんだとか。メダカを食べるなんて現代では考えられませんが、それほど数が多く身近な存在だったんでしょうね。インターネットでは決して出てこないような、本ならではのそんなおもしろい内容もあります。
5000種類以上!?メダカの方言
なんと地方ごとのメダカの呼び方(方言)について7ページを割いて解説しています。かつては方言による呼び名が5000種類もあったんだとか。飼育方法やテクニック、品種改良などに偏重しがちな最近のメダカ界隈ですが、こうした文化的な研究を進めることで、メダカの世界ももっと広がるのではないでしょうか。
番外編:生物の化学 遺伝 2018年6月号
超マニアックな遺伝学の専門雑誌
この本、普段は読むことがありませんが(そもそも存在を知らなかった)、メダカの行動学が特集されているということで購入してみました。内容が難しいのですが、インターネットでは得られない深い情報が詰まっているのが素晴らしいです。
印象に残った内容:色違いのメダカによる選り好み(配偶前生殖隔離)
色違いのメダカ同士ではなんと互いに無関心になるというデータが実験で示されています。詳しい内容は解説できないのですが、大変ためになる情報でした。