年末やお祝い事になると登場するのがカニ料理ですよね。高級なカニには主にズワイガニとタラバガニがいます。この2種の違いと見分け方をご紹介します。
ズワイガニとタラバガニの違いって?タラバガニはヤドカリの仲間だった!
生物学的な違い
ズワイガニ
- 分類:十脚目クモガニ科ズワイガニ属
- 学名:Chionoecetes opilio
- 英名:Snow crab
タラバガニ
- 分類:十脚目タラバガニ科タラバガニ属
- 学名:Paralithodes camtschaticus
- 英名:Red king crab , Alaskan king crab , Kamchatka crab
まずは小難しい分類の違いです。ズワイガニもタラバガニも『十脚目(じっきゃくもく)』とい呼ばれるグループに属しています。
十脚目はエビやカニ、ザリガニやヤドカリなども含まれる、いわゆる「甲殻類」のグループです。エビとカニではずいぶん姿が違うように思われますが、いわゆるカニの「ふんどし」の部分はエビでいうと胴体の部分にあたります。
カニとエビの中間のような『アサヒガニ』という美味しいカニも存在しているのですが、アサヒガニを見るとたしかにエビとカニは同じ仲間なのだと感じます。
タラバガニはタラバガニ科に属しています。タラバガニ科にはタラバガニと近縁で味もよく値段の安い『アブラガニ』や濃厚な味でカニ好きに人気の『ハナサキガニ』などが含まれています。
タラバガニはヤドカリの仲間!?
タラバガニはカニの仲間というよりもどちらかというとヤドカリに近い仲間といえます。第二触角が糸状に長いこと(カニの仲間は非常に短い)、歩行用の足が3対しかないこと(実際は4対あるが1対が非常に短く見えない)などがその理由です。
ヤドカリも十脚目の仲間なので講義的にはもちろんカニの仲間なのですが、ヤドカリと聞くと驚きますよね。カニの最高級種がヤドカリの仲間なんて、なんだかおもしろいですね。
生息場所の違い
ズワイガニは日本海側でたくさん漁獲される
ズワイガニは日本海の冬の味覚としてよく知られています。北陸地方では『越前ガニ』、山陰地方では『松葉ガニ』など様々なブランドが生み出され、冬場はニュース番組やグルメ番組などでよく紹介されています。
市場でズワイガニと呼ばれるのは大型になる雄の個体のみで、雌の個体は雄の数分の一の大きさで『セイコガニ』や『香箱ガニ(こうばこがに)』などと呼ばれて区別されています。
セイコガニは小さいので肉も少ないですが、内子(うちこ)と呼ばれる卵巣の部分が濃厚な旨味があって非常に美味しいです。お寿司屋さんや高級な料理屋さんで食べることができます。
タラバガニはほとんどが外国産
タラバガニは流通しているもののほとんどが外国産です。アメリカ(アラスカ)、ロシア、カナダなどが主な産地で、日本で水揚げされたものはごくわずかです。
値段の違い
一般的にはタラバガニのほうが高値、だが…
一般的にはタラバガニのほうが高値をつけることが多いです。ズワイガニが1kgあたり4000円だとしたら、タラバガニは5000円くらいのイメージでしょうか。
活きたブランドズワイガニは天井知らずの高値!
ただしズワイガニはブランドが確立しているものが多くあり、京都府京丹後市丹後町にある間人漁港のブランドズワイガニである「間人(たいざ)ガニ」は、2017年の初競りでなんと5杯で111万円もの高値をつけました。2018年はいくらの値段がつくのでしょうか。興味深いですね。
ズワイガニとタラバガニの見分け方
それでは、足だけになっている状態でタラバガニとズワイガニはどのように見分けられるでしょうか?
足が細長く、つるつるしているのがズワイガニ
ズワイガニは足が細長く、足にトゲがありません。ズワイガニの「ズワイ」とは「楚(すわえ)」という日本語が変化してできたものという説があり、楚とは細長く伸びた木の枝という意味だそうです。分類もクモガニ科であることから、やはりズワイガニの特徴はこの細長い足のようですね。
足が太くごつごつしているのがタラバガニ
タラバガニの足は太くごつごつしており、ところどころにトゲがあります。食べ応えがあるのはこちらかもしれませんね。
[amazon-primeday2023-crab]美味しいカニが食べたくなったら…
ネット通販でも美味しいカニが取り寄せられるようになってきています。下記におすすめ商品を紹介いたしますので是非ご覧ください。