スーパーやコストコでよく見かける安くて美味しい「アルゼンチン赤エビ」っていったいどんなエビ?生で食べて大丈夫?背ワタは抜いたほうがいい?下処理はどうしたら?鮮度の目利きは?など、気になる疑問にお答えします。
そして、赤エビをできるだけ安く手に入れる方法やおすすめの通販サイト、食べ方や調理方法をこっそり紹介いたします。
赤エビの特徴
赤エビはスーパーやコストコでほぼ常時販売されているにも関わらず、どんなエビなのかを知っている人はあまり多くないように感じます。
色はどちらかというとオレンジ色に近いです。甘エビやボタンエビのほうが赤色に近いですね。
標準和名(学術的な名前)を『アルエンチンアカエビ』、学名を『Pleoticus muelleri』といいます。名前のとおり南米アルゼンチンのサンホルヘ湾の深海(水深100m付近)で多く獲れるエビで、同国の主要な水産輸出品目となっています。
アルゼンチンアカエビは水温が7~23°の水域に分布し、大規模な着底トロール(底引き網)で一度にたくさん漁獲されるため価格が安くなります。
なぜ一度にたくさん獲れるのかというと、アルゼンチンアカエビは『大きな群れを作ってよく泳ぐ』という性質を持っているからなのです。食用となるエビの仲間には珍しい特徴ではないでしょうか。そのため大きな網で一度に大量に漁獲することが出来るのです。
甘エビと赤エビの違い
お刺身で食べられることと、名前が似ていることから甘エビと赤エビが混同されることがありますが、両者には下記のような違いがあります。
- 甘エビは
- 甘エビはお刺身など主に生で食べられるが、赤エビは焼き物やパエリアやフライなど加熱用としても利用される
- 甘エビは10cm程度の小型だが、赤エビは20~30にもなる中型種
- 甘エビは北陸や北海道など日本各地で獲れるが、赤エビは日本国内では獲れない
赤エビはすべて『天然もの』!危険性は特にない
赤エビはいまのところ流通しているものすべてが海で漁獲した『天然もの』です。バナメイエビやブラックタイガーなど、現在家庭用に流通するエビの多くは養殖です。
かつては『アルゼンチンボタンエビ』という名前で流通されていたようですが、今や市民権を得ています。危険性はとくにありません。
日本では養殖にはまだまだ臭いとか安全ではないといった誤解のイメージを持つ人がいます。天然もののためスーパーや魚屋でも安定して販売しやすくなっているのかもしれません。(ただし一番の人気の秘密は「価格が安いこと」でしょう!)
赤エビの特徴は生食できること
そして赤エビの特徴のもう一つが「生食できること」。生食とは生で食べられること、つまりお刺身やお寿司、カルパッチョなどに使えるということです。
赤エビは大型船で漁獲され、漁獲直後に船内ですぐに冷凍しパッケージされます。そのため鮮度の良い状態で流通することができ、生食ができるようになっています。
たくさん獲れるため価格が安く、鮮度が良いため刺身で食べられる。なんて万能な素晴らしいエビでしょう!
赤エビはなぜ安い?
赤エビが他のエビと比べてサイズが大きく美味しいのにも関わらず安い理由は、前述したとおり『大型船の網で一度にたくさん獲れるから』です。
日本のクルマエビやイセエビの場合、岩場や砂中に生息しているためなかなか大量に漁獲することが難しいです。
また、ブラックタイガーやバナメイのように養殖のエビでは設備・場所・エサなどのコストがかかるためなかなか安くすることは難しいです。
ということで赤エビは安心して生で食べましょう。※頭や殻、足の部分は生で食べないようにしましょう。また、アレルギーに注意してください。
回転寿司、スーパー等で広く利用されている
安くて美味しい、さらに生で食べられるというインパクトから、アルゼンチン赤エビは1990年代後半からスーパーや回転寿司で広く利用されるようになりました。今では安くて美味しいエビの代表といえるのではないでしょうか。
回転寿司でお刺身や生で『大ねた』として提供されている大きなエビはたいていがこの赤エビです。
赤エビの目利きは頭の色がポイント!鮮度の見極め方
赤エビの鮮度がよいものは全体的に透明感のあるオレンジ色をしています。これが鮮度が落ちてくると、頭のえびみそ(内臓)から黒く変色してきます。
赤エビはスーパーでは夕方まで売れ残って古くなっているのをよく見かけます。赤エビを生で食べて美味しいのは鮮度が良いうちだけです。頭が黒くなったものは取ってしまったほうが良いと思います。
赤エビの下処理は?背ワタはとるべき?
おすすめの下処理の方法
塩焼きにする場合は赤エビを洗い、水気をよく取ってから背ワタをとります。頭はついていたほうがえびみそを味わえます。
しかし、鮮度が落ちて頭が黒ずんだものは味が落ちているので頭を取ってたほうが良いでしょう。
赤エビの背ワタは取るのがおすすめ
赤エビは大型のエビですので、そのまま食べると背ワタがじゃりじゃりして気になる場合があります。生食でも加熱でも、背ワタは取ったほうが食べやすいでしょう。
赤エビの美味しいおすすめの食べ方
赤エビはお刺身やお寿司といった生で食べることが多いようですが、個人的には生ではボタンエビや甘エビと比較して味が落ちるため、加熱したほうが美味しいと考えています。※あくまでも個人の感想です
加熱調理でおすすめは天ぷら、フライ、塩焼き、ボイル、パエリアなどエビを使った料理ならどんなものでも良く合います。背ワタをつまようじで取ってから加熱しましょう。
赤エビのおすすめレシピ:赤エビの塩焼き
赤エビに塩をまぶして焼くだけです。香ばしくてとっても美味しいです。フライパンでもじゅうぶん調理出来ます。焼き上がったエビは殻をむいて食べましょう。
殻の中の加熱が不十分になりがちなので注意しましょう。
赤エビのおすすめレシピ:シンプルにボイルする
ボイル(塩ゆで)は調理も簡単で失敗もありません。沸騰したお湯1リットルに対して大さじ1程度の塩を入れ、赤エビを入れて再度沸騰してから5分程度ボイルしてください。
頭はえびみそもたくさん詰まっているのでお好きな方はしっかり加熱してえびみそもどうぞ。頭からは出汁もよく出ます。
塩焼きとは変わってふっくらした食感が美味しくておすすめです。
アルゼンチン赤エビはコストコでも売ってるが通販もおすすめ
まとめ買いで人気のコストコでも赤エビは人気商品のようです。解凍されて大量パック詰めされた状態で販売されています。
コストコで買った赤エビはなるべく一度で使い切るのがおすすめです。解凍した有頭エビは再冷凍すると品質がかなり落ちてしまうからです。そのため、一度に使い切る予定がないのなら、通販で冷凍品を購入するのも検討してみてはいかがでしょうか。
赤エビを安く買うには市場に行くか通販がおすすめ
赤エビを安く手に入れるには、スーパーやコストコよりもネット通販で業務用サイズ(2kg入り)を買うのがおすすめです。冷凍状態で輸入されてくるため、一度も解凍されていない冷凍のものを手に入れたほうが鮮度も良いです。
業務用の赤エビはおもに2kg入りで入荷します。サイズはたいてい下記のとおりです。参考にしてみてください。※赤エビは1尾あたりの大きさにかなりばらつきがあります。あくまでも目安としてください。
- L1サイズ(10-20):1kgあたり10~20尾入り(1箱に20~40尾)
エビフライ、天ぷら、バーベキューなど - L2サイズ(20-30):1kgあたり20~30尾入り(1箱に40~60尾)
炒め物、エビチリ、ボイル、塩焼き、お刺身など - L3サイズ(30-40):1kgあたり30~40尾入り(1箱に60~80尾)
お刺身、パエリア、塩焼きなど