サバ缶の値段の違いはなぜ?魚のプロが原料・製法などから熱く解説!

サバ缶の値段の違いはなぜ?魚のプロが原料・製法などから熱く解説!

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サバ缶の値段の違いはなぜ?魚のプロが原料・製法などから解説!

2018年、サバ缶ブームはまだまだ続いていますが、ここにきて各メーカーが値上げを発表していたり、品薄により値段が高騰しているものがあるようです。特に水産大手マルハニチロが9月1日よりサバ缶の値段を10%上げたということで、大きなニュースになりました。

サバ缶が全国的に品薄になった
サバ缶が全国的に品薄になった

ところでサバ缶の値段は安いものでは100円未満のものから、高いものでは500円以上するものまで実に様々です。同じサバを使っているはずなのにこの違いはいったいどこからくるのでしょう?その秘密を『日本さかな検定1級』所持のおさかなプロであるめだか水産広報部が解説します。

要因その1:原料の違い

サバ缶(ここでは水煮缶)の原料は、基本的には「サバ」と「食塩」です。つまりこの2種類の原料の値段で、サバ缶の値段が大きく変わってくるといっても過言ではありません。

キレイにつめられたサバの切身
キレイにつめられたサバの切身。サバ缶の違いは原料の違い?

食塩は1缶あたり数グラム程度ですので値段にそこまで大きな影響はないでしょう。よってサバそのものの値段が非常に重要になってきます。

では、原料であるサバの値段はどのように決まるのでしょうか?詳しく解説していきます。

サバのサイズ

サバ缶に適したサイズは丸の状態(頭・内臓がついた状態)でおおむね300g以上のものが中心です。

サバは大きさによって用途が異なり、400g以上のものは締めサバや塩サバなどに加工されます。500g以上になるとサバ缶としては大型の部類に入ります。

カウンターのお寿司屋さんで使うサバはさらに大型で、おおむね700g以上が使われていることが多いような印象です。

これは現在豊漁のマイワシ
イワシも大きいほど高い。もちろん例外はあるが魚は基本的に大きいほど高値

鮮度や脂のりでかなり左右されますが、基本的には大きなサバのほうが旨味が強く脂ものって美味しいです。300gと800gでは正直比べられないほど味が違います。値段ももちろんまったく異なり、数倍から数十倍の値段の差が出てきます。300gのサバが1kgあたり100円だとすると、800gのサバは1kgあたり700円くらいになるようなイメージです。

余談ですが200g未満の小さなサバは、食用としてはほとんど値段がつかず養殖魚のエサの原料として利用されたり、アフリカやエジプトに輸出されるようになっています。なんとも悲しい話です。

原料になるサバはサイズによって値段が大きく異なり、サバ缶の値段を決める大きな要因になっている

漁獲された時期(脂ののり具合)

サバは日本各地に生息する魚で、一年を通じて巻き網や定置網などで漁獲されています。

皆さんご存知とは思いますが魚には『旬』があります。

多くの魚は旬の時期に脂がのり、より美味しくなります。サバの旬の時期は場所にもよりますが産卵のために体に栄養を蓄えるようになる秋~冬の時期。この時期に漁獲されたサバは脂がのって高く取引されます。(旬の時期にはいろいろな定義があり、脂がのっていなくてもたくさん獲れる時期を旬と呼ぶこともあります。)

サバは日本各地で一年中漁獲される
サバは日本各地で一年中漁獲される

サバ缶の原料になるサバはほとんどが冷凍の原料を使用しています。よって旬の時期に漁獲した原料を使ったサバ缶はより高値になる傾向があります。逆に脂ののっていないサバは安値で取引されます。

鮮度の良し悪し

魚は鮮度が命です。鮮度のよいサバであるほど市場では高値で取引されます。

鮮度の良し悪しの要因は単純に漁獲されてからの時間経過だけではありません。船内の保冷設備の違い(じゅうぶんに保冷できているか)、船員の魚の扱い方や漁獲方法など。様々な要因によって鮮度が評価され、値段もそれによって異なります。

つまり、鮮度が良い原料を使ったサバ缶ほどより高値になる傾向があります。

サバ缶の原料原産地は実は多くが日本

サバの原産地もサバ缶の値段に大きく関わります。原料の状態にもよって値段は大きく異なりますが、北欧諸国(ノルウェー、デンマークなど)のサバは脂が乗って大型なことから高値で取引されています。

白く濁っているのはサバの脂やたんぱく分と思われます
ノルウェーのサバを使ったオイル漬け

あれ?国産のサバのほうが高いんじゃないの?と思われるかもしれませんが、例えばノルウェーでは小型のサバは基本的に漁獲しないため、小型の国産サバとノルウェーのサバを比較すると国産のほうがずっと安くなります。

要因その2:製法の違い

冷凍のサバか生のサバか

前述したとおり、現在出回っている多くのサバ缶は生のサバを冷凍した「冷凍サバ」を解凍して原料にしています。

しかし中にはこだわりの製法として、港に水揚げされた生のサバを冷凍せずに使用しているサバ缶もあります。

骨が崩れるやわらかさ、そしてまったく臭みを感じない
生の原料をそのまま缶詰にした木の屋石巻水産『サラダサバ』はめだか水産の人気商品

一度でも冷凍してしまうとやはり味は落ちてしまいます。また、冷凍するまでにも解凍するまでにも時間がかかるため鮮度も落ちてしまいます。

ではなぜ生のサバを使わないのかというと、天然もののため漁獲時期が読めない、サイズが不揃いになる、原料の値段が大きく変動するため確保が困難、などの要因によって製造計画を立てるのが難しいのです。

そのため、一度も冷凍していない生のサバを使ったサバ缶は値段が高くなります。その分鮮度が良いので臭みが少なく、より美味しいサバ缶になります。

もちろん豊漁のときなど、時期によっては冷凍のサバを使うよりも生のサバを使うほうが安く製造できる場合もあります。天然ものを使っている以上なかなか一概には言えないのが難しいところです。

サバは紡錘形
水揚げされたサバは数百キロ、数トン単位での取引になる

一度も冷凍していないサバを使った極上サバ缶は過去記事で紹介しています→【サバ缶】木の屋石巻水産『サラダサバ』は鮮魚から即缶詰加工で臭みもないヘルシー美味しい最強缶詰!

国内製造か外国製造か

値段が安いサバ缶の中には、例えば日本の原料をタイなどに持って行って現地の工場で缶詰に加工して日本に持ってくる、という製法を用いているものもあります。

もちろん国内で製造したサバ缶のほうが値段は高値になり、タイなど外国で製造したサバ缶は一般的に安値になります。(ノルウェーで製造したサバ缶は国産より高値になることが多いです)

いなば ひと口いわしみそ煮
このいわし味噌煮はタイで製造されている

そうした製品は原産国が記載されているのでよく確認しましょう。勘違いしてはいけないのは、原産国がタイと書いてあっても原料となったサバはタイ産ではない可能性がある、ということです。缶詰の側面に書いてある原材料表示をよく読んで判断するようにしましょう。原料原産地が書かれていない場合も多いですが。

要因その3:流通の違い

大量仕入れ、大量生産によるコストダウン

どんな製品にも当てはまりますが、大量に製造している商品は少量生産の商品よりも安値で販売が可能です。同じ原料、同じ製法でもメーカーによっては値段の差が出てしまいます。

100円以下で販売されている安価なサバ缶はやはり大手の水産メーカーや缶詰メーカー、輸入商社であることが多いです。原料の大量仕入れによるコストダウンや、大型の工場での効率的な大量生産によるコストダウンが感じられます。

100円未満でおいしいサバ缶が販売できるなんてスゴイことだと思います!

昔ながらのサバ缶
昔ながらのサバ缶

まとめ

サバ缶の値段の違いは下記の要因によるところが大きいと思われます。

  • 原料となるサバの鮮度、サイズ、脂のりの違い
  • 製造国、生産量、生原料か冷凍原料かの違い
  • 大量生産か少量生産かの違い

これであなたも今日からサバ缶マスターです!

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