鯨の缶詰って食べたことありますか?
鯨は最近、捕鯨問題をめぐって注目を集めています。しかしながら、今の若い世代にとっては、鯨肉を食べたことがある方は少ないのではないでしょうか。その理由は、鯨が高級食材になってしまったからです。牛肉や豚肉、その他の魚と比べても非常に高価であり、一般的に口にする機会が少なくなってしまったのです。実際、売っているのを見たことがないという方も多いでしょう。
そこで今回、紹介するのはかつて鯨の産地として栄えた宮城県石巻市の木の屋石巻水産が提供する『鯨大和煮』というクジラ缶です。同社は創業当時からの看板商品を提供していることでも知られています。この鯨大和煮は、石巻市周辺で水揚げされた鯨肉を使用し、伝統的な煮物の味わいを堪能できる商品です。また、缶詰になっているため、保存も簡単で、いつでも手軽に食べることができます。
パッケージがなんとも和風でカッコイイ
パッケージからはなんとも味の想像がつきません。鯨というと食べたことのない人にとっては「硬くてクセが強い」というイメージがあるのではないでしょうか。筆者もまったく同じでした。
使われている「ひげ鯨」ってどんな鯨?
この缶詰に使われている鯨は「ひげ鯨」です。鯨類は学術的に大きく分けてハクジラとヒゲクジラに大別できます。
ハクジラ類は歯をもち小型の種類が多く、イルカ類やマッコウオクジラなどが含まれます。ヒゲクジラ類はその名の通りヒゲをもち、海中の小魚やプランクトンなどをヒゲで漉しとって食べます。シロナガスクジラやイワシクジラ、ニタリクジラ、ザトウクジラなどがヒゲクジラ類に含まれます。
調査捕鯨の鯨を使用している
缶詰パッケージの側面にこんな記述がありました。
本製品は国際捕鯨取締条約に基づいて、㈶日本鯨類研究所が行った捕獲調査事業の副産物を原料とした製品です。
さらに『木の屋は鯨食文化を守り伝えてまいります。』とのメッセージが添えられています。
実際に食べてみるとめちゃくちゃ美味しい!
缶詰をお皿にあけてみると、冬場だったせいかゼラチン状に固まっていました。どうやら寒天が入っている模様。温めるのが正しいのか不明ですが、電子レンジで少し温めた状態がこちら。
温めたところで、いよいよ実食です。箸でつまんで口に運ぶと、肉厚でプリプリとした食感が広がります。鯨の特徴である「旨味」がしっかりと詰まっていて、口の中に広がる濃厚な味わいは、一度食べると忘れられなくなること間違いありません。
また、石巻市はかつて鯨の漁獲量が日本一だった地域でもあるため、その歴史を感じられる貴重な品です。鯨の旨味とともに、石巻市の歴史や文化にも触れられる、まさに「贅沢な一品」ですね。
生姜と醤油の香りが漂いなんとも食欲をそそります。一口食べてみると、しっかりした鯨肉の食感があり非常に美味しいです!噛めば噛むほど味わいが広がります。
そして思っていたような硬さはなくクセもなく、むしろ食べやすいくらい。味は牛肉の赤身に似ている感じですが、もしかしたらこちらのほうが美味しいかもしれません。
木の屋石巻水産『鯨大和煮』原材料表示など
原材料表示
原材料名:ひげ鯨、砂糖、しょうゆ、でん粉、生姜、香辛料、寒天、(原材料の一部に小麦を含む)
固形量:120g
内容総量:170g
栄養成分表示(100gあたり)
炭水化物:16.5g
たんぱく質:15.7g
ナトリウム:790mg
脂質:3.6g
(食塩相当量:2.0g)