シマハタという魚をご存知でしょうか?
おそらくほとんどの方はご存知ないと思います。この超絶カラフルな魚。ハタ類の中でもめったに関東には入荷しない(と思われる)まさに珍魚です。
今回は友人がバイヤーを務めている水産流通業の会社から特別に仕入れさせてもらいました。シマハタのような珍魚はたいてい鮮度が落ちているのですが、今回入荷したものは鮮度抜群。ということでお刺身にしてみました。
まるで作りものかのような鮮やかな色彩です。昔のアメリカの車にこういう柄があったような。
シマハタの生物学的特徴
英名:Giant Neptune Grouper、Garish hindなど
学名:Cephalopholis igarashiensis
分類:スズキ目ハタ科ユカタハタ属
多くのハタ類と比較して体高が高くて側扁します(平たい)。顔が大きく、口は伸ばすことができます。
幼魚時代は成魚とまったく異なる模様をしており、背鰭の後方(軟条部)に黒い斑紋があるのが特徴です。
深海に生息しており、国内では鹿児島県や沖縄県などで漁獲されますが、関東に入荷することは非常に稀です。
歯は短く細かいです。1対の犬歯状の歯が上下についているのが特徴だそうです。
シマハタを刺身と湯引きで食べてみた
今回はシマハタをお刺身にして食べてみました。それからネットの情報では湯引きがウマイそうなのでそちらも試してみました。
ハタ系の魚類は総じて頭が非常に大きく筋肉も発達しているので、頭やカマの部分はあら汁にしていただいてみます。
鱗は細かくて取りづらい。すき引きがいいかも
シマハタの鱗をひいていきますが、非常に細かい鱗がびっしりとついています。ブリやクエなどと同じようにすき引きという技法でとってしまったほうがいいかもしれませんが、私はすき引きができないので普通の鱗引きで地道にとりました。身は弾力が強くきれいな白身
三枚におろしたのがこちら。非常に弾力の強い白身魚です。例えるなら締めたての活魚のような弾力です。身質が似ている魚といえば、イラやコブダイのようなベラ科の仲間の感じでしょうか。
頭と中骨とカマ部分はあら汁にする
頭と中骨、カマの部分はあら汁にしました。頭を使う際はエラを除去しておくことをおすすめします。たいていの魚のエラは美味しくないです。(例外的にタラは「たらおさ」というエラを干した料理があります)血抜きが完全でなかったあら汁を作っている最中にアクが多少出ましたが、煮ている最中まったく臭みはありませんでした。
シマハタの刺身はブリブリで硬い
これがシマハタの刺身(上)と湯引き(下)です。刺身は臭みもなく旨味がしっかりあります。さすがはハタの仲間。しかし締めたてのような強すぎる弾力が筆者の好みではありませんでした。湯引きにしてみましたが正直あまり変化がありません。これなら刺身にするか蒸し料理にしたほうがいいかも。
さばいている最中、シマハタは皮が非常に分厚いことに気づきました。今回は捨ててしまったのですが、シマハタの皮は焼くか揚げるかしたらかなり美味しいと思います。
あら汁はダシがめちゃくちゃ出てて最高にウマイ
もしかするとシマハタは蒸すか汁ものにするかが一番おいしいのではないかというくらいの相性でした。
刺身だと弾力がありすぎる感じなのですが、これが汁ものになるとプリっとしたちょうど心地よい食感になるのです。特にほっぺた部分の肉(ほほ肉)が柔らかくて最高でした。
シマハタの魅力をYouTube動画でも存分に発信しています
めだか水産広報部がお届けするYouTubeチャンネル「さかなでのみましょう」では、シマハタの解説から捌くシーン、食べるところまでを楽しくお届けしています。
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