この度私たちは新たに、地球温暖化防止に貢献するブルーカーボン生態系の重要性を広めるためのWebサイト『ブルーカーボンプロジェクト』を公開いたしました。
ブルーカーボンプロジェクト
https://ugal.jp/
※ブルーカーボンプロジェクトのWebサイトへ移動します。
ブルーカーボンプロジェクトとは?
『ブルーカーボン』という言葉を初めて耳にする方も多いと思います。
ブルーカーボンとは、アマモやコンブ・ワカメなどを代表とする海藻や海草などの藻場(もば)やマングローブ林など海洋生物によって二酸化炭素として取り込まれ、海に貯留される炭素を指します。地球温暖化対策となる温室効果ガス吸収源の新しい選択肢として提示され、世界的に注目を集めています。
森林により吸収された二酸化炭素のことを指す「グリーンカーボン」と区別するため、2009年に国連環境計画にて命名されました。
二酸化炭素の吸収源としてみなさんは森林をまず思い浮かべるかと思いますが、森の生き物と同じように海の生き物も二酸化炭素の吸収、削減に大きく貢献しています。
2015年にパリで開かれた、温室効果ガス削減に関する国際会議で採択された「パリ協定」では、世界すべての国が温室効果ガスである二酸化炭素の排出削減の努力をすることで合意しました。
日本は2021年4月、「2030年度に2013年度比マイナス46%」の努力目標を発表し、脱炭素社会への取り組みをアピールしています。温暖化対策として二酸化炭素の削減が急務となる中、ブルーカーボン生態系は新たな二酸化炭素吸収源として注目が集まっています。
『ブルーカーボンプロジェクト』は、藻場、マングローブ林など海洋と沿岸生態系によって構成されるブルーカーボン生態系の活用によって温室効果ガスを削減する取り組みを応援し、より多くの方にブルーカーボンについて知っていただくためのwebメディアです。
さらに事業者向けの取り組みとしてブルーカーボン事業に取り組む企業・団体を応援し、両者をマッチングさせる役割を担うことを目的としています。
なぜ、めだか水産がやるのか?
持続可能な水産業の掛橋に
私たちめだか水産は、未来への魚食文化の橋渡しとなるべく『次世代のおさかな好きを創る』をテーマに、インターネットの力を利用して日本中・世界中に海洋生物や水産資源の大切さを伝えていくwebメディアです。
私たちはこれまで、最も身近な生き物のひとつであるメダカや簡単にできる魚料理などを通じて、みなさまに様々な形で海洋生物たちとの関わり方を発信して参りました。
当Webサイトでもお伝えしてきたとおり、近年の日本における漁獲量および水産物の消費量は右肩下がりであり、このままでは日本国内において現在のような豊かな魚食文化を維持できなくなる恐れがあることは多くの方がご存知のことと思います。
最近、魚を食べましたか?この記事を読んでくださる方は少なからず水産業に興味がある方かと思います。私たちはこれまで10年以上、生産現場から卸、仲卸、小売業に至るまで水産業界の様々な仕事に携わって参りました。その中で感じた水産業界の問題[…]
一方で世界では寿司を中心とした和食ブームや健康効果をきっかけに水産業は成長産業となっており、消費量は右肩上がりです。消費量が増えるにつれ、持続可能な漁業が強く意識されるようになってきています。
水産資源の持続的な利用が実現することにより単に安定的な食料生産だけでなく、これまで日本が培ってきた寿司を代表とする世界有数の優れた魚食文化の維持と発展によって、ふたたび日本が世界の魚食をリードする存在になることも可能です。
そしてブルーカーボンと持続可能な水産業は決して遠いものではありません。むしろ、ブルーカーボン生態系を生み出し維持することが将来の持続的な水産業に役立つと私たちは考えています。
『海のゆりかご』としてのブルーカーボン生態系
日本は国面積でいうと197 か国中61 位とあまり順位は高くありませんが、海の広さに目を向けるとなんと世界で第6位の排他的経済水域(EEZ:Exclusive Economic Zone)を誇ります。
持続可能な社会を目指すことが求められる中、魚や海老、海藻といった水産資源は科学的に求められた適切な量を漁獲し、適切な量を獲らずに残すことで持続的に利用することが可能であると考えられています。
そして海におけるブルーカーボン吸収源のひとつである藻場は、二酸化炭素の貯留だけでなく酸素の供給、魚をはじめとする水産生物の産卵場所、稚魚の生育場所、プランクトンの供給や水質浄化など『海のゆりかご』としての役割も果たします。
ブルーカーボン生態系をつくることは決して温室効果ガスの削減だけでなく持続可能な漁業にもつながる、水産業には決して無視することのできない課題であると考えます。
四方を豊かな海に囲まれた日本ではブルーカーボンは非常にポテンシャルが高く、これからも注目を浴びることでしょう。
ブルーカーボンプロジェクトを通じて二酸化炭素の削減に取り組む方々の一助を担い、さらに私たちがこれまでお世話になってきた水産業に少しでも貢献したいという想いから『ブルーカーボンプロジェクト』を公開いたしました。
身近な人たちにブルーカーボンの重要性を広めていきたい。私たちはこれからも、人と水産資源との新しい関わり方を様々な形でお届けして参ります。
お問い合わせはこちら
ブルーカーボンに関わるお問い合わせはこちらのメールアドレスへお願い致します。
info@r-lightstuff.jp
お問い合わせ内容を確認後、担当者よりご連絡いたします。