メダカの飼育をしていて迷ってしまうのが水槽やメダカ鉢の水換えをいつごろどのくらいの頻度で行えばいいか、ですよね。
冬の間は水換えしたほうがいいのか、カルキ抜きは入れるべきなのかなど、メダカの水換えについて解説します!
メダカの水換え頻度とタイミング、水換え方法について!週1回?週2回?
水換えタイミングはずばり『水が汚れる前に換える』
水換えは基本的に水が汚れる前に行いましょう。毎日観察しているときに『水が微妙に濁ってきた』とか『水の色が少し変わってきた』『汚れが底に溜まってきた』『苔が少し生えてきた』というのが目安になります。
頻度がわからなければ週1~2回、1/3から1/2の水換えを
水換えのタイミングがわからなければ、週に1回から2回、1/3から1/2の量を交換しましょう。しかしこれは飼育しているメダカの量や季節、餌の与え方などで大きく異なります。目安として、水量2リットル以上につき1匹の飼育であれば、週に1回から2回、1/3の量の水換えで済むと思います。
春から夏はメダカの活性も非常に高くなり、餌を与える量やメダカのフンも多くなるため水換えは頻繁に行いましょう。茶色いもやもやした汚れ(分解された有機物)が水槽の底にたまっていたらすぐに水替えするのがおすすめです。
メダカの飼い方を紹介している記事や書籍では、水量とメダカの飼育数の目安は1リットルにつき1匹と解説されていることが多いのですが、実際には1リットルにつき1匹では過密状態になります。
過密状態で飼育する場合、週1回の水替えでは水質の悪化に対応できない場合があります。その場合は3日に一度程度の水替えが必要になってくるでしょう。
めだか水産広報部では室内の60cm水槽でメダカを60匹くらい飼育しています。水換えの頻度は週に2回から3回、約半分の量を交換しています。
水質の悪化によってメダカが死んでしまうことはまったくありませんでした。※高密度なのであまりおすすめはできません。飼育密度とメダカの産卵数には相関があることが知られています。
水替え時の注意点
水換えは一度に2/3くらいまでを限度に
交換する水の量は一回につき全体の1/3から半分くらいが良いとされています。というのも、水を交換すると水槽内の『ろ過バクテリア』と呼ばれる、水をろ過する働きのある微生物が減ってしまうためです。
また、水槽内の水温や酸素濃度、pH値などの水質が急激に変化してしまい、中に住んでいるメダカたちには大きなダメージとなってしまいます。一気にすべての水を交換することは避けましょう。市販のバクテリア剤などを利用するのも一つの手です。
フィルターの掃除は水替えと同時に行わない
飼育環境によってはフィルター(ろ過器)を使用している場合があるかと思います。
フィルターの中のろ材には、ろ過の役割を担っているろ過バクテリアがたくさん住み着いています。水替えと同時にフィルターの掃除を行うとバクテリアも消滅してしまう可能性があります。
よって、水替えとフィルターの掃除は同時に行わないほうが良いでしょう。
もしそれでもフィルターの汚れが気になる場合は、水替えする際の古い飼育水でゆすぐようにろ材を洗いましょう。水道水で洗ってしまってはバクテリアにダメージがあります。
水換え後の白濁りは危険!
初心者の方にありがちなパターンとして、水換え後に水が白く濁ってしまう、ということがあります。
白濁りの正体や発生する条件などはまだ詳細に判明していないようですが、主にろ過に関与する以外の微生物が爆発的に増えることによって白く濁ってしまう現象のようです。
これまでの経験からいうと一度に大量の水換えを行ったあとや、水換えと砂利やフィルターの掃除を同時に行ったときに発生しやすいように感じます。
つまり前述したようにろ過バクテリアの数が急激に減ってしまい、ろ過がうまく働いていないことが考えられます。
そんなときにメダカへの餌を多く与えてしまうと、さらに水質が悪化してしまう可能性があります。白濁りしてしまったときは餌は少なめに抑え、少量ずつ水換えをしながらろ過バクテリアが増えるのを待ちましょう。
白濁りはメダカにとって非常に危険な状態です。基本的にはこのような状態にならないよう注意しながら水替えしてください。
水換え方法について
水温が急激に変わらないようにしよう
水換えのときに注意していただきたいのは、まずは水温。飼育している水槽やメダカ鉢の水温とあまり変わらないようにしましょう。メダカは基本的にはかなり丈夫な魚ですが、できるだけストレスなく飼ってあげたいものです。
カルキ抜きをしよう
もうひとつ注意したいのはカルキ。カルキとは水道水に含まれる消毒目的の薬品(次亜塩素酸カルシウムなど)のことです。これらを無害化することでメダカを飼育することができます。液体タイプが便利に使用できます。
そもそもカルキ抜きが必要なのかといえば、1/5くらいの水換えならあまり気にする必要はなく水道水をそのまま加えてもそんなに問題はないかと思います。※もちろんお住まいの地域や季節にもよるので、自己責任でお願いいたします。
砂利や容器の底の汚れもキレイにする
水替え時には飼育容器から汚れた水をホースやスポイト等で取り除きますが、一緒に砂利に溜まった汚れも取り除いてあげましょう。
数か月も飼育していると、思ったよりも砂利は汚れているものです。砂利に汚れが溜まっていると水質悪化の大きな原因となります。
前述したように水槽内には水をろ過してくれるバクテリアが生息しています。バクテリアは砂利にも多く含まれているため、砂利を掃除する場合は古い飼育水で洗うことをおすすめします。
水替えのおすすめグッズ
メダカの水替えにおすすめのグッズを紹介します。
飼育容器と同じ水量のバケツ
水替えにはペットボトルなども便利ですが、やはりベストはバケツだと思います。
飼育容器と同じ水量のバケツが扱いやすく、どのくらい水道水を入れればいいかわかりやすいのでおすすめです。
プロホースなど水替え用のポンプ
各社から水替え用のポンプが販売されています。砂利を吸い込まないようにしつつ同時に掃除ができる優れものもあります。
おすすめはアクアリウム用品で有名なメーカーの水作(すいさく)が販売している『プロホースエクストラ』です。
ポンプを押さないで振るだけでも排水ができる点や、砂利などの低床をしっかりきれいに掃除してくれる点は、他のホースと完成度が違います。
まとめ:メダカ水槽の水換えはコツをつかめば安心!
ということでメダカの水換えタイミングや頻度、方法について解説しました。
メダカはコツをつかめば繁殖を楽しむことも容易で、費用も少なくこどもでも飼育することができる素敵な生き物です。ぜひ長く大切に飼ってあげてください。
めだか水産広報部ではこの記事のほか、メダカの飼育方法や稚魚の育て方、メダカビオトープの作り方などをご紹介しています。カテゴリ「メダカ」「メダカビオトープ」から是非ご覧いただければと存じます。
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