自然環境でのメダカの産卵期は5月から10月ごろ
屋外で飼育している場合やヒーターを設置しない場合、メダカが卵を産むのはおおむね毎年5月から10月までです。
10月以降は卵を産んでも水温が低くて卵が孵化しなかったり、稚魚がうまく育たない場合があります。
10月以降の繁殖にはヒーターの設置が必要になってくる場合があります。
メダカ飼育の基礎については以下の記事を参照してください。
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ヒーターがあれば通年繁殖可能
ヒーターを設置すれば通年繁殖することができます。
通常の自然環境では冬眠している時期に人為的に活動させるため、メダカの寿命が短くなってしまうというリスクがあります。繁殖や品種改良を目的にしている方はヒーターを導入するのも良いかと思います。
オスとメスがいれば普通はいつの間にか産卵する
メダカの繁殖は観賞魚の中でも比較的簡単な部類に入ります。
健康な大人のオスとメスがいれば容易に産卵してくれます。
産卵可能なメダカの大きさは約1.5cm以上
メダカは順調な飼育状況であれば孵化後5~6週間後、大きさでいうと鰭(ひれ)や各器官が形成される全長1.5cm以上で交尾・産卵を開始します。
寿命が短く外敵が多い魚だからこそ、成熟も早いようですね。
ちっともメスが卵を産まない!なぜ?
複数のメダカを飼育しているのにぜんぜん卵を産んでくれない!という場合は何が原因なのでしょうか?
まずはオスとメスがいるか確認しよう
オスとメスの見分け方は慣れれば簡単です。
見た目だけでなく繁殖行動を行っているかでもオスメスを見分けることができます。
メダカのオスの特徴
- 背びれが大きい
- 背びれの付け根に切れ込み・裂け目がある
- 尻びれが平行四辺形に近い
- 尻びれが大きい
- 腹びれがメスよりも小さい
メダカのメスの特徴
- 背びれの付け根に切れ込み・裂け目がない
- 腹びれがオスよりも大きい
- 尻びれが三角形に近い
健康なオスとメスでないと産卵しない
健康状態が良好なメダカ同士でないと交尾・産卵行動は起こしません。
オスのメダカは弱っているメスには求愛行動を起こさないようですし、オスが弱っている場合は交尾行動を起こしません。
最近の品種改良メダカは弱い個体も多いので注意!
最近のメダカブームで、ホームセンターやペットショップで品種改良メダカが販売されているのを見ますが、弱っている個体が多いように感じます。
卵をたくさん産んでくれるのは健康的なメスです。元気なメダカを販売している、信頼できるショップから購入するようにしましょう。
メダカ同士の相性も大切
いくらオスとメスがいても、人間と同じように相性が悪い場合はなかなか産卵しません。
体色の異なるメダカ同士ではお互いに興味を示さないという研究結果も発表されています。
あまり気にすることはありませんが、元気なオスメスでなかなか産卵しない場合は別の個体を入れてみるのも手かもしれません。
卵を産んだらどうする?卵を隔離しよう
では、無事にメスが卵をぶら下げるようになったらどうすればいいか?まずは卵を回収しましょう。
そのまま親メダカと一緒にしていると、稚魚は生まれた直後に親メダカに捕食されてしまいます。
メダカは口に入るサイズの動物プランクトンなら大体食べてしまいますので注意しましょう。ということで採卵方法の紹介です。
メダカの採卵方法:メスから直接採卵する
網でメスのメダカを採捕して、指や筆などで直接メダカから卵を回収します。
卵を確実に全量確保できるメリットがありますが、メダカの身体的負担と人間の手間がかかるデメリットがあります。
メダカの採卵方法:産卵床から回収する
これがもっとも一般的な方法ではないでしょうか。水草や人口の産卵床に産み付けた卵をひとつずつ回収します。
メダカの負担も少なく回収も楽ちんです。我が家では苔で作ったボールを浮かべてそこに産卵させています。
メダカの採卵方法:落ちている卵を回収する
砂利などを敷いていない状況なら、落ちている卵を回収することも可能です。
また、水替えホースなどで水替えするときに網で濾すだけでもけっこう回収できたりします。熱帯魚やメダカ用のスポイトも使い勝手がよくおすすめです。
メダカの卵の育て方
水道水に入れるだけでも孵化する
実はメダカの卵を孵化させること自体はそこまで難しいものではありません。
きちんと受精した卵なら水道水に入れておくだけでも孵化します。
メダカ卵の孵化までの積算温度は250℃
孵化の積算温度は250℃といわれています。つまり水温25℃で10日間保っていれば孵化するということです。水温が低ければプラス数日、水温が高ければ孵化までの日数がより短くなります。
メチレンブルーは使っても使わなくても大丈夫
メチレンブルー溶液という魚病に効果のある薬品を用いる方も多いようですが、効果は高いものの注意が必要です。
染色力が強すぎるので、服や手にについたりして厄介なのです。
大きめの容器で余裕をもって飼育していれば卵も稚魚も飼育は簡単です。
よくある失敗例
卵が白くカビてしまう
未受精卵はすぐに水カビによって白く濁った卵になります。早めに取り除かないと受精卵まで水カビに汚染されてしまいます。水カビの汚染を防ぐためには、回収した卵を一つずつばらばらにしてあげましょう。メダカの卵は意外と丈夫なので、指で多少さわるくらいで壊れることはありません。
水質悪化で稚魚が育たない
産卵から孵化まではうまくいく場合が多いのですが、メダカの飼育で難しいのは稚魚の育成です。ここでは稚魚の育成について詳しく述べませんが、水質の悪化や餌不足で稚魚がうまく育たないケースが多いように思います。
じゅうぶんな広さの容器で飼育することと、餌を食べきれる分だけ与える、ということが大まかなポイントになってきます。