黒メダカとは?
黒メダカは改良メダカの品種のひとつです。
黒メダカは日本の淡水魚で、メダカの中で一番原種に近く、他の品種のメダカよりも丈夫だと言われています。見た目は原種に近い黒メダカですが、飼育用に品種改良・養殖されたメダカとなります。
色は、茶色~薄いグレーです。
改良種たちのベースにもなっており、黒い色素がなくなった品種を「ヒメダカ」、黄色い色素がなくなった品種を「青メダカ」、黒がなく黄色が少ない品種を「白メダカ」と呼びます。
黒メダカは、原種に近いため、他の品種のメダカに比べると、警戒心が強く臆病です。水草などの隠れる場所を作ってあげましょう。また、人になつきにくいですが、稚魚から育てるとなついてくれます。
黒メダカのオスとメスです
左:オス 右:メス pic.twitter.com/abnE6eGRM6— 中学生の写真好き (@QWEuOAWLLLWdDIj) October 18, 2022
野生のメダカとの違い
野生のメダカは、「ミナミメダカ」と「キタノメダカ」の2種が存在します。見た目は黒メダカに似ていますが、野生のメダカとは遺伝子が異なります。飼育している黒メダカは絶対に河川や池に放流しないようにしましょう。
野生のメダカは環境省のレッドデータブックにより、「絶滅危惧Ⅱ類」に定められています。
飼育している黒メダカを河川や池に放流してしまうと、野生のメダカの遺伝子がなくなるのと同時に、自然の生態系に悪影響を及ぼします。購入した黒メダカや繁殖させた黒メダカは必ず最後まで責任を持って飼育してください。
どうしても飼育できない場合は、近くのメダカショップに問い合わせをしたり、「日本メダカ協会」協賛店で引き取り活動を行っていますので問い合わせてください。
https://medakanoyakata.muragon.com/entry/930.html
今年の夏、メダカはたくさん産まれたでしょうか。 改良メダカ人気が高まり、全国でもメダカを飼育する方が多くなっています。 …
黒メダカの飼育方法
黒メダカの飼育方法は、他のメダカとほぼ同じです。ただし、臆病な性格の黒メダカも多いため隠れ場所を作るなどの対策をしましょう。
急激な水温と水質の変化は避ける
水温が0℃の状態でも黒メダカは生きて行けますが、急激な温度や水質の変化には弱い生き物です。
水温を上げる際は、1日1~2℃と徐々にあげていきましょう。また、新たにお迎えした黒メダカはいきなり水槽に入れずに、必ず水合わせをします。
水合わせは、買ってきた袋のまま水槽に30分~1時間つけます。袋の中の水を2割ほど捨て、同じ分量の水槽の水を入れます。3回ほど繰り返して、黒メダカをゆっくり水槽に入れてあげます。
黒メダカの水温は、25℃前後が適切です。水温が10℃以下になると、冬越えのために水槽の底の方で動かなくなります。冬の寒い時期でも、黒メダカが活発に動いている姿を見たいようなら、ヒーターなどで水温を調節しましょう。
水草は隠れ場所になる
水槽内は自然に近い環境にしてあげるために、水草や浮草を入れてあげましょう。黒メダカの隠れ場所になったり産卵する際に水草にくっつけたりします。
アナカリスやマツモなどの葉の柔らかい水草がおすすめです。また、水草があると、混泳しているヌマエビやメダカの稚魚を食べてしまう可能性を防げます。
黒メダカは口に入るものなら、自分の産んだ卵から生まれた稚魚でも食べてしまう恐れがあります。もし稚魚を見つけたら、水槽を別々にしましょう。
底砂は水質維持に必要
黒メダカには、赤玉土やアクアリウム用のソイルがおすすめです。底砂を敷くと、ろ過バクテリアの住処になり水質維持にも役立ちます。
最近ではメダカ用の底砂も販売していて、メダカに最適な中性~弱酸性の水質をキープし、アクなどをキレイに除去してくれる効果を謳っているものもあります。また、観賞用にピンク色などの化粧砂も販売しています。
底砂は赤玉土やアクアリウム用のソイルを使用している場合、半年~1年程で交換しましょう。
水質や環境にもよりますが、底砂の機能が切れたときや砂が壊れたら交換の時期です。放置していると病気の原因にもなるので、交換は必ず行いましょう。
上級者向けにはなりますが、底砂を使用しない「ベアタンク」という飼育方法もあります。
水質維持にはろ過フィルターも有効
水質維持には、ろ過フィルターを使用するのも効果的です。ただし、フィルターの種類によって底砂との相性もあるので選ぶ際は気を付けましょう。
ミナミヌマエビなど生き物と混泳させると、水槽のコケなどを食べてくれます。
メダカ飼育で一般的に利用されている投げ込み式ろ過フィルターを使用する際は、別途エアポンプが必要です。
黒メダカと混泳できる生き物
黒メダカは、「ミナミヌマエビ」などのエビ、「イシマキガイ」「タニシ」といった貝など、黒メダカと水質の合う生き物と混泳できます。
口が大きかったり攻撃的な生き物は、黒メダカが捕食されてしまう可能性があるので避けましょう。
「ミナミヌマエビ」と名前がよく似ている「ヤマトヌマエビ」は稚魚を襲って食べてしまうという話もあります。メダカが小さかったり、狭い水槽の場合は注意しましょう。
エビ類や貝類は、黒メダカの食べ残したエサ、水槽や水草に付着するコケを食べてくれます。水槽のお掃除をしてくれ、温和な性格なので黒メダカと相性が良い生き物です。
屋内と屋外の飼育の注意
黒メダカは室内でも室外でも飼育は可能です。
ただし室内飼育では、日照時間が足りない可能性があります。黒メダカは日光浴が好きな生き物で、水草も日光を浴びて光合成をしています。
日光浴をすると体が丈夫になり健康になります。ただし、急に直射日光に当ててしまうと水温が上昇してしまうので、気を付けましょう。日照時間が少ない場合はLEDライトなどでも可能です。
屋外では、外敵に注意しましょう。猫や鳥などに襲われないように、水槽にフタをしたり安全な場所に置いたりしてください。
また、冬の時期に気温が低く水温が下がってしまうと、稚魚や老魚は死んでしまう可能性があります。室内に移動してあげましょう。
- 環境省『絶滅のおそれのある野生動植物種の生息域外保全>取り組み事例>メダカ』
https://www.env.go.jp/nature/yasei/ex-situ/instance10.html
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