皿鉢料理(さわちりょうり)とは?
『皿鉢料理』は50cm以上もある大きなお皿に、高知県名物カツオのたたきやタイの刺身、エビや貝などの煮つけや名物のサバ姿寿司など旬の料理をお皿いっぱいに豪快に盛り付けるまさに宴会料理です。
高知県ではお盆の時期や正月、近所のお祭りなど人の集まる節目に、親戚や友人をはじめとしたお客を招いてみんなで盛り上がる「おきゃく」という文化があるのだそうです。
さすがに今ではメジャーな文化ではなく都市部では廃れてきてしまっているそうですが、土佐流のおもてなしとして受け継がれてきたイベントです。
そして、その「おきゃく」の主役となる料理が『皿鉢料理』というわけです。
皿鉢料理に使う魚はどんなのがある?
皿鉢料理に特別なルールや入れなくてはならない食材は決められていないようです。一応はお刺身を盛り付けた「生(なま)の皿鉢」と、酢の物や焼き物、煮物などを盛り付けた「組み物」と、バランで仕切ってお寿司を盛り付けた「すし皿鉢」の3つが基本となるとされています。
とはいえ近年では食生活の変化により唐揚げが追加されていたり、卵焼きが入っている皿鉢もあるそうです。自由に楽しむ宴会料理、というのがルールなのかもしれませんね。
アユの塩焼きやイセエビ、サザエなどを盛り付けることもあるそうです。高知県の四万十川で獲れる天然アユはブランドものとして東京でも珍重されています。皿鉢料理にはぴったりですね。
主役はやっぱりカツオ!
皿鉢料理の主役となる魚はなんといっても土佐を代表する魚ともいえるカツオでしょう。皿鉢料理にはカツオの刺身、皮を残したお刺身である『銀皮造り』、表面を藁の炎で炙った香ばしい『カツオのたたき』などが一緒に盛り付けられます。
高知県のかつお漁はほとんどが一本釣り。釣りものは扱いがていねいで、新鮮な状態で流通するため味は格別です。
皿鉢料理には珍しい寿司も盛り付けられる
皿鉢料理に盛り付けられるお寿司には、さすがご当地名物と言わんばかりに珍しいものがあります。
ゴマサバを頭付きのまま背のほうから開き、中骨と内臓を取り除いて塩に漬けたのち洗い流して酢につける、しめさばと同じ製法で尾頭付きのゴマサバで酢飯を丸ごと包んでしまうのが『サバの姿寿司』です。
日本で漁獲されるサバにはマサバとゴマサバの2種類がおり、一般的にはマサバのほうが高値なのですが、高知県のサバの姿寿司はゴマサバのほうが人気だそうです。高知県には土佐清水市の『土佐の清水サバ』や、ゴマサバを洋上で神経〆した室戸市の『無神経サバ』といったブランドサバがあります。
なんと「羊羹(ようかん)」を一緒に盛る!?
一部の皿鉢料理には、あの和菓子の代表格である『羊羹(ようかん)』を一緒のお皿に盛り付けることもあるそうです。
たしかに煮つけやお刺身、お寿司ばかりだと塩味やしょうゆ味ばかりで甘いものが欲しくなるのもうなづけますね。昔は羊羹は高級品だったでしょうから、宴会のときに食べてほしいという思いがあったのでしょうか。
皿鉢料理を作って美味しく飲むYouTube動画を作りました
めだか水産広報部が運営しているYouTubeチャンネル『さかなでのみましょう』で、皿鉢料理(のようなもの)を実際に作って楽しく食べてお酒を飲む動画を公開しています。
スーパーでも手に入る食材で、豪快で楽しい宴会料理『皿鉢料理』はホームパーティーやイベントなどでも好評なこと間違いなしです!
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