いつの間にか発生しているスネール(巻貝)たち
メダカを飼育しているといつの間にか発生している巻貝たち。彼らは観賞魚業界やアクアリウム業界では「スネール」と呼ばれています。
彼らはどこからやってきてどこへ向かっているのでしょうか。
そんなスネールですが、厄介者として駆除されてしまうものから観賞用に販売されているものまでいくつかの種類があります。本記事ではそれぞれの特徴を紹介します!
サカマキガイ
おそらく最も発生する率が高いサカマキガイ
メダカを飼育していると屋外、屋内関係なく最も発生する確率が高いと思われるのがこのサカマキガイです。
数mmから1cm程度の小さな貝で、水面を逆さになって這っている姿もよく見かけます。オスメスの区別がない雌雄同体のため繁殖力が強く、放っておくといつの間にか数百匹に増えている!なんてことも。たくさん増えて見栄えが悪いので駆除の対象としている方が多い貝です。
コケを食べてくれるからそのままでもいいか…なんて思っている方もいるかもしれませんが、スネールたちはコケを食べる以上にフンをして水質悪化の原因となります。
スネールが増えすぎた容器では、スネールのフンだらけになってコケは見当たらないけれどメダカが弱ってしまっているなんてこともあります。
侵入経路は水草などから。駆除はどうする?
サカマキガイの侵入経路は、卵が付着している水草をショップや通販で導入してしまう場合や、サカマキガイがすでに侵入してしまっている容器で使用済みの砂利などからが多いでしょう。
一度サカマキガイなどのスネールが発生した砂利やろ過装置には、見えなくてもたくさんの卵が付着している場合があります。透明で小さく見つけにくいため、見落としてしまうことが多いのです。
さらに彼らの卵はゼリー状になっているため多少の乾燥や高温といった環境の変化には耐えることができます。スネール駆除のため砂利に熱湯をかけたからといって、全体にじゅうぶんな熱が伝わっていないと完全に駆除するのは難しいでしょう。
駆除の方法は卵や生体を地道に捕まえていくのが効果的です。
ガラス面のゼリー状の白い粒はサカマキガイの卵!
よく「水槽に白い粒がくっついているのですがこれはメダカの卵ですか?」という質問をいただきます。しかしこれが大間違い。これはサカマキガイの卵です。ゼリーのようなものに包まれており卵を乾燥や外敵から保護しています。簡単にはがすことができるので、スポイトなどで吸い取ってしまいましょう。
ラムズホーン
観賞用としても飼育されている
ラムズホーンはメダカと一緒に飼育できる巻貝です。メダカ同様に様々なカラーが品種改良によって生み出されており、品種改良された個体はレッドラムズホーンやピンクラムズホーンなどと呼ばれ高値で販売されることもあります。
サカマキガイ同様、繁殖力が強く放っておいてもいつの間にか水槽内で繁殖しています。しかしどちらかというとラムズホーンのほうが成長が遅く、サカマキガイとラムズホーンが一緒にいる環境では次第にサカマキガイが優先してくる印象があります。
ラムズホーンはサカマキガイほど繁殖力が強い印象ではなく、コケや餌の食べ残しを処理してくれるということでメダカの稚魚や針子と一緒にタンクメイトとして飼育している方も多いようです。
ラムズホーンは最大2cmくらいまで成長します。
ラムズホーンもゼリー状の卵塊
ラムズホーンも飼育容器の壁面などにゼリー状の卵塊を産み付けます。増やしたくない場合は卵をこまめに駆除するようにしましょう。
キラースネール
スネールを食べるスネール
最後に紹介するのがキラースネールです。その名のとおり、スネールを襲って食べてしまう貝です。形や模様が特徴的で美しいので、観賞用として販売されています。この個体は、販売されていた使用済みの砂利にたまたま混じっていたようです。
魚類に対してはほとんど興味を示さないようでメダカを襲うことはありませんので、メダカの稚魚や成魚と一緒に飼育することができます。
砂利に潜って獲物を待つ?
あくまでも我が家の環境ですが、いつも半分くらい砂利に埋まって触手だけを出してじっとしています。もしかしたら獲物を待っているのでかもしれませんね。
ヒメタニシはメダカにとっても無害で、水の濁り(グリーンウォーター)を透明にしてくれる働きがあります。
スネールは基本的には駆除対象
タンクメイトとして一緒に飼育しているラムズホーンは例外として、基本的にスネールが発生したら駆除することをおすすめします。その理由は2つあります。
1つ目は水質悪化の予防です。コケや食べ残しを処理してくれるとはいえ、スネールも代謝により排泄物を出す動物です。スネールの排泄物に含まれるアンモニアはメダカにとって有害です。考え方にもよりますが特別な理由がない場合、メダカと一緒に飼育する動物は少ないほうが良いでしょう。
2つ目は個体数をコントロールするのが難しいことです。スネールたちはところかまわず卵を産み付け、その数を増やします。砂利や水草、エアポンプのホースやろ過機の内部までどこにでも産卵するため、スネールが増えてほしくない容器にも移ってしまいます。
メダカ関連記事もあわせてご覧ください
ヒメタニシはメダカと相性抜群!メダカを飼っているとメダカ以外の他の生き物にも興味が湧いてきませんか?アクアリウムでは、一緒に飼育する生き物のことをタンクメイトなんて呼び方もします。[caption id="attachment_[…]
レッドチェリーシュリンプはメダカと一緒に飼えるレッドチェリーシュリンプとは?レッドチェリーシュリンプはアクアリウムでも人気の非常に小さな淡水性のエビです。ミナミヌマエビに近縁のシナヌマエビから品種改良されたといわれており、ちまちま動[…]
我が家のメダカ水槽にヒドラが発生我が家の繁殖用メダカ水槽にヒドラが発生しました。これまでいろんな魚を飼育してきましたがヒドラの発生は初めてです。これを機にいろいろ調べてみました。原因と対処方法を記しておきます。ヒドラとは?[ca[…]