ホタルイカは日本の春の風物詩!
春のわずかな期間だけにしか販売されることのないホタルイカ。濃厚かつ苦くない肝の美味しさと、ぷりっとした身の美味しさを併せ持つ素晴らしい食材です。
日本には日本海の一部と太平洋の一部に分布しており、後述する富山県のホタルイカの『身投げ』は毎年ニュースなどテレビ番組で取り上げられる神秘的な風景です。生き物としても非常に興味深く美しい、なんとも可憐なかわいらしいイカなのです!
期間は3月から6月初旬まで
※本記事では関東の市場での流通をイメージして記述しています。
解凍していないホタルイカの出回る時期は3月から6月初旬くらいまでです。旬の時期も同時期ということができます。シーズンだったとしても時化などで漁が行われなかったりすることもよくあるため、実際には味わえる期間はもっと短くなります。
最初に登場するのは兵庫県産の解凍ボイルホタルイカ
まずはじめに2月の下旬ごろになると市場には発泡スチロール箱に入れられた解凍ボイルホタルイカが出回るようになります。これは去年漁獲されたホタルイカの原料をボイルして出荷したもので、たくさん獲れた時期に仕込んでおくので値段も安めです。見分けるポイントは表示ラベル
味も決して悪いものではなく美味しいのですが、次に出回り始める『新物ボイル』と比べるとやはり歴然の差です。3月中は解凍ものと新物どちらも出回るようになるため、より美味しいものを食べたい方は新物を選びましょう。見分けるポイントはラベル表示です。
『兵庫県産 ボイルホタルイカ(解凍)』←のように表示されているのが解凍、『兵庫県産 ボイルホタルイカ』というように表示されているのが新物です。もし解凍の表示をせずに解凍ものを販売している場合は違法となります。
3月から登場する『新物』兵庫県産ホタルイカ
3月に入るとその年に漁獲された兵庫県産『新物ボイルホタルイカ(しんもの、と読みます)』が売り場を彩るようになります。3月頭ごろ、旬の”はしり”のホタルイカはピーク時の何倍もの価格がつくようになります。兵庫県産は主に底曳網(そこびきあみ)などで漁獲され、後述する富山県産よりも2周りほど小ぶりなのが特徴です。
4月から登場する富山県ホタルイカ!
4月に入ると今度は富山県産(富山湾)のホタルイカが入荷するようになります。お寿司屋さんや高級レストランなどがこぞって求める、いわば本物のホタルイカといったところでしょうか。富山湾のホタルイカは小さな定置網(ていちあみ)で漁獲され、漁獲直後に漁港すぐ近くの工場ですぐにボイルされ出荷されるため、鮮度が良い状態でお店や料理店などに届けられます。
兵庫よりもずっと大きく味が濃い!!
富山湾のホタルイカはなんといっても大きさがまったく違います!その分食べごたえも非常によく、肝の濃厚さや身の厚みや味の濃さも2ランクほど上といえるでしょう。
美味しい理由は産卵期のメスだから
富山湾のホタルイカが大きくて美味しくなる理由はほとんどが産卵期のメスだからといわれています。ホタルイカのメスは春になると産卵のため接岸するようになります。定置網にかかるのは多くが産卵を終えたメスという話もあり、資源にやさしい漁法だそうです。ちなみに悲しいことにオスは交尾するとそのまま死んでしまいます。
最も高級な『生』ホタルイカ
そして最も価格が高いのがボイルしていない『生』のホタルイカです。ていねいにトレーに並べられて販売されるのですが、これを使うのは一部の高級デパートやお寿司屋さんくらいでしょう。茹でたてのホタルイカはなんともいえない鮮度感とぷりぷりに張った身がとても美味しいです。生をボイルする手間がかかるうえ、茹でるのって塩加減や温度、茹で時間などで食感や味が大きく変わってしまいます。産地でボイルされたものは長年の経験とノウハウが詰まっているんですね。こだわるお寿司屋さんなどは、わざわざ産地のメーカーを指定していたりすることもあります。
ホタルイカの生食は注意!
生のホタルイカには旋尾線虫(せんびせんちゅう)という寄生虫がいることが知られています。本来はヒトに寄生するはずではない寄生虫の幼虫がヒトに侵入してしまうことにより、激しい腹痛や皮膚下をはい回ったりすることが知られています。
生食をする際は内臓と目をしっかり除去したものを食べること、冷凍したものを解凍して食べることが重要です。『踊り食い』や『丸ごと生食』などは絶対に行わないようにしましょう。
ホタルイカの魅力を動画でも紹介しています!
めだか水産広報部がお送りするYouTubeチャンネルチャンネル『さかなでのみましょう』でも、ホタルイカの魅力をたっぷり紹介しています!ホタルイカを食べてみたい、美味しそう、一緒に飲んでみたい、そう思っていただけたらチャンネル登録と高評価をよろしくお願い致します!