メダカと一緒に水草を楽しみたい!
水槽でメダカを飼育していたり、外で容器や睡蓮鉢でメダカを飼っていると、せっかくなら水草を入れて緑を増やしたい・・・と思う方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、メダカにおすすめの簡単できれいなおすすめの水草をご紹介いたします。
選定基準としては、①手に入りやすいこと、②育てるのが簡単なこと(CO2の添加を必要としない)、③メダカと相性が良いこと、としました。どれも初心者の方でも育てられます。
メダカ飼育に水草を導入するメリットは?
水槽飼育においても屋外飼育においても、メダカと一緒に水草を育てることにはたくさんのメリットがあります。ただの飾りではないことを覚えておいてください。
そして、水草もメダカと同じひとつの生き物であることもきちんと認識しておくことも大切です。
めだか水産が販売する水草の種を購入しませんか?
アクアリウム用のソイルやメダカに使用する赤玉土で簡単に発芽する水草の種。密集して植えればじゅうたんのようにもなります。
メダカビオトープやメダカ水槽の新しい飼い方としておすすめです。『めだか水産 苔部』ではメダカ生体や各種グッズも販売しています。
水質の改善
水草には、通常飼育で発生するメダカの排泄物や餌の食べ残し(残餌)などで悪化した水質を改善する効果があります。
なぜ水草を導入することで水質が改善されるのかをざっくり解説します。
メダカの排泄物として排出し続けているアンモニア(NH3)は生体にとって非常に毒性の高い物質です。さらに、食べ残した餌は飼育環境中の細菌によってアンモニアに分解されます。
こうして水中にはアンモニアが発生するのですが、発生したアンモニアをろ過バクテリアと呼ばれる細菌(アンモニア硝化細菌)が亜硝酸塩(NO2-)に分解します。亜硝酸塩も毒性が強いです。
そしてその亜硝酸塩をさらに別の細菌が、毒性の弱い硝酸塩(NO3−)に分解します。
ここで水草がようやく栄養分として硝酸塩から窒素(N)を利用できるようになります。水草が硝酸塩を吸収し自らの成長に利用することで、水質のバランスが保たれるようになるのです。
これが水草の水質改善効果です。
稚魚の隠れ家になる
水草が水中に茂ることで、稚魚や弱い個体の隠れ家になります。
メダカの稚魚はそのまま大人のメダカと一緒にしておくと、見つかったらすぐに大人のメダカに食べられてしまいます。
水草が隠れ家になることで、稚魚が生き延びる可能性が高まります。水草が繁茂するビオトープ状態にしておけば、稚魚を分けなくてもいつの間にか育っているほどです。
卵を産み付ける場所(産卵床)になる
メダカ飼育の醍醐味と言えば繁殖ですよね。水草はメダカの繁殖にも役立ちます。
メダカのメスは産卵後、お腹に卵をくっつけて泳ぎまわります。その際、卵についた付着糸という粘着性のある糸で水草などに産み付けます。
水草(とくにひげ状の根をもつ浮草など)を入れておけば、メダカが卵を産み付ける場所になります。
ということで、メダカの飼育に水草は非常に有効だということがいえます。では、おすすめの水草を紹介していきます。
めだか水産が販売する水草の種を購入しませんか?
アクアリウム用のソイルやメダカに使用する赤玉土で簡単に発芽する水草の種。密集して植えればじゅうたんのようにもなります。
メダカビオトープやメダカ水槽の新しい飼い方としておすすめです。『めだか水産 苔部』ではメダカ生体や各種グッズも販売しています。
アナカリス(オオカナダモ)
アナカリスはメダカ飼育でもっともおすすめできる水草といえます。育てるのが簡単でホームセンター等でも手に入りやすいことから、初めて水草を導入してみたい初心者の方にもおすすめです。
オオカナダモという和名がついていますが、アナカリスという名前で流通・販売していることが多いです。
透明感のある美しい姿
アナカリスは独特な透明感のある姿で、密集して植えるとなかなか綺麗に水中を彩ってくれます。
アナカリスは外来種!絶対に外には出さないで
アナカリスは日本の侵略的外来種ワースト100に選定され、さらに外来生物法では要注意外来生物に指定されている外来種です。
今では本州以南に広く分布するようになっているようですが、メダカを飼育するにあたってはアナカリスは(すべての生物に対して言えることですが)絶対に外に放さないようにしましょう。
マツモ
マツモは金魚やメダカの飼育で定番となっている水草です。細く繊細な葉はメダカと相性が良いといえます。
浮かべておくだけで簡単に育つ
マツモは根を持たず浮かんで生息する、浮遊性の水草です。そのまま浮かべておくだけで育ってくれるので、土や砂利などを必要とせず、初めてメダカと水草を飼う方にもおすすめです。
上に向かって生えるようにレイアウトするには、水草用のおもりなどで沈める必要があります。
ホテイソウ(ホテイアオイ)
次におすすめするのはホテイソウ(ホテイアオイ)です。水面に浮かんで育つため水草というよりも浮草ですが、メダカにぴったりの特徴をたくさん持っています。
昔から広く流通している浮草ですが、最近では大きくならない改良品種のミニホテイアオイという種類も流通しています。
メダカ自体のサイズが小さいので、メダカと一緒に育てるならミニホテイアオイのほうがおすすめです。
メダカにうれしい日陰になる
メダカを外で飼っていると、近年では夏場の水温に注意する必要があります。メダカは水温の耐性も強い魚ですが、水温が30℃を超えるような状況は危険です。
そこでホテイソウを浮かべておけば、メダカが身を隠す日陰を作ることができます。また、稚魚が身を隠す場所にもなります。
メダカの産卵床になる
ホテイソウの一番のおすすめポイントが、メダカの産卵床(卵を産みつける場所)に最適だということです。
ホテイソウの水中部分には密集したふさふさの根が生えています。これがメダカの卵を産みつける産卵床として非常に適しています。
健康なメダカのペアがいる容器にホテイソウを入れておけば、夏の産卵シーズン中は毎日卵を簡単にとることができますよ。
外で育てるのがおすすめ
ホテイソウの栽培には強い光量が必要なため、室内で美しく育てることは難しいです。
逆に冬場は寒すぎると枯れてしまうため、10月以降は室内で育てるのがおすすめです。
カボンバ
カボンバはカモンバとも呼ばれる水草です。先に紹介したマツモのように葉が細く繊細なイメージがあります。
ホームセンターやペットショップなどで手に入りやすいため、メダカの飼育が初めての方にもおすすめですが、育てるには土や砂利などに植える必要があります。
ウォーターマッシュルーム
ウォーターマッシュルームは葉が特徴的な丸い形をしている、園芸用としても人気の水草です。ウォーターコインとも呼ばれています。
他の水草にはないかわいらしい形をしているので、メダカのかわいいイメージとよく合います。
メダカビオトープにもおすすめ
ウォーターマッシュルームは陸上でも水中でも生育可能な水草です。たとえば外の睡蓮鉢などに寄せ植えするのにもおすすめです。
日陰と隠れ家を作ってくれる
ウォーターマッシュルームは、気温が上昇し日照量も増える夏場はどんどん茎を伸ばして増えていきます。
丸い葉は日陰を作るのに適しているため、メダカの夏場の高水温対策や隠れ家としても良いでしょう。
また、茎はどんどん密集するのでメダカの産卵床や稚魚の隠れ場所としても適しています。
ウィローモス
ウィローモスはアクアリウムをやったことがある方にはおなじみの水草(水生コケの仲間ですが広義的に水草と呼びます)です。
流木に巻きつけたり絨毯を作ったりと、水草水槽には必ずと言っていいほど使われています。
メダカの産卵床としてもおすすめ
ウィローモスは細かい葉がたくさん生えているため、メダカの産卵床としてもおすすめです。石や流木にウィローモスを巻き付けて沈めておくだけでメダカは好んで産卵することでしょう。
コケの中では成長が早く育てやすい種類
ウィローモスはコケ類の中では成長が早く育てるのが簡単です。冬以外はメダカと同じ環境で育てられるので手間もかかりません。
ウキクサ
最後はウキクサです。ミジンコウキクサやアオウキクサなど色々な種類がありますが、私が一番おすすめするのはウキクサという種類です。
丸い葉はかわいらしく、メダカのフォルムと相性が良いです。メダカマニアの間ではメダカのエサにもなるという理由でミジンコウキクサが人気のようですが、エサ用としてはコストがかかりすぎます。
ということで総合的にウキクサという種類が、メダカにはもっともおすすめです。冬場は枯れてしまいますが、水底に越冬芽という種のような状態で越冬が可能です。
ウキクサは田んぼや沼を探してみると意外に身近に生息しています。少し持って帰るだけでたくさんに増えるので、お金をかけて買わずに拾ってくるのもおすすめです。
メダカと水草の相性は抜群。ぜひ一緒に育ててください
せっかく生き物を飼育するなら、メダカだけではなく水草も一緒に育ててみませんか?
とくに外で飼育する場合は日光のおかげで水草もぐんぐん育ちますので、初心者でも簡単に緑を楽しむことができます。
めだか水産でのメダカと水草の楽しみ方
最後に、屋外と屋内でのメダカと水草の楽しみ方を紹介します。水草といっても水中に沈めるだけじゃなくて、浮かべたり水上に出してみたり、いろいろなレイアウトが楽しめます。
屋外飼育、メダカビオトープの場合
屋外飼育では強力な照明(つまり日光)があるので、室内飼育では困難な様々な種類の水草を育てることができます。
このメダカビオトープはホテイソウ、ウキクサ、ミント、ウォーターマッシュルームなどを鉢に寄せ植えにしてそのまま沈めたものです。
日に日にメダカも水草も変化していく様子が楽しめます。(水草ではないものも混じっていますが)
屋内飼育、メダカ水槽の場合
屋内飼育の場合、メンテナンス性を高めるためソイルは使用せず、砂利に埋めることもせず、リングろ材にアナカリスを詰め込んで沈めておくだけ、という方法をとっていました。
また、水草の種を使って1から水草を育ててみたりしました。やはりメダカ飼育に緑が少しあるだけでも見栄えがよくなりますね。
赤、白、黒などいろんな色が生み出されているメダカの品種改良ですが、やはり水草の緑色は出せません。
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