メダカ飼育やメダカの繁殖で最も難しいのは生まれてから2週間くらいまでの稚魚期のメダカの育て方です。
むしろこの最難関を攻略できれば、メダカの飼育や繁殖は簡単です。初心者にも実践できるメダカの稚魚の育て方をご紹介します。
メダカの繁殖は稚魚(針子)の期間が最も難しい!
メダカは水温、水質、健康状態など条件さえよければ初夏から初秋にかけてほぼ毎日のように頻繁に卵を産んでくれます。
卵から稚魚を孵化させる過程は意外と簡単で、水カビの発生にだけ注意していれば大丈夫なのですが、難しいのは生まれた稚魚をある程度の大きさまで大きくするところです。
遊泳力が強くなる体長1cmくらいまでに育てるのがメダカ繁殖でもっとも難しいところです。
ここを超えれば、安定して餌も食べられるようになり飼育難易度は観賞魚の中でも簡単な部類になります。
メダカ稚魚の育て方のポイント:餌
メダカの稚魚を育てるにあたっては、餌が重要なポイントになってきます。
魚類の稚魚期は口に入る大きさの餌を確保し稚魚に与えることが一番難しいとされています。
メダカの稚魚に与える餌の種類
インフゾリア(ゾウリムシ等の微生物)
メダカの稚魚の育て方をインターネットで調べると、「インフゾリア」や「ゾウリムシ」という言葉を目にすると思います。
インフゾリアはinfusoriaのカタカナ読みで、滴虫類・繊毛虫類という意味だそうです。
どうやら今は学術的には使われていない用語なのですが、アクアリウムの世界ではミジンコやケンミジンコよりもさらに小さいプランクトンのことをインフゾリアと総称しています。
メダカの稚魚に与えるインフゾリアとしてはゾウリムシが有名です。最近では「ゾウリムシ水」や「ゾウリムシの素」などの用品がメダカの飼育グッズとして販売されているのを見かけます。
メダカの稚魚もこのインフゾリアを食べて成長します。我が家では室内の水位の浅い水槽をずっと水換えしていなかったところ、水面にわずかに動き回る小さな小さな生物が発生しているのに気が付きました。
ずっと観察しているとなんとメダカの稚魚がこの生物を食べているのがわかりました。動画を撮影することに成功したので是非ご覧ください。
ゾウリムシを安定的に確保するのは難しい
しかし、少量の水換えをしただけでゾウリムシはいなくなってしまいました。
一度ゾウリムシの増殖をやってみたことがありますが、安定して増殖することは家庭ではやはり難しかったです。
メダカの販売を大規模に行っている養殖業者さんなどでは、メダカの稚魚のためにゾウリムシを増殖しているところもありますが、家庭レベルではゾウリムシの安定した増殖はなかなか困難なのではないでしょうか。
メダカ稚魚専用フード
アクアリウムショップやホームセンター等で販売されている『メダカ稚魚専用フード』もひとつの手です。
非常に細かく、ほぼパウダー状になっているため使いやいです。おすすめは下記リンクのような容器やスプーンがついたものです。指で与えるとどうしても毎回均一に与えるのが難しいです。
おすすめ:大人用の餌を細かくすりつぶして与える
ということでめだか水産がおすすめする初心者のためのメダカ稚魚用の餌は『大人メダカ用の餌をすりつぶして与える』です。
要は稚魚の口に入るようなサイズに加工するということですね。稚魚の口はとーっても小さいので、これでもかとパウダー状くらいにすりつぶしてあげましょう。
めだか水産で使っているのは過去の記事でも紹介している『GEX:メダカ元気 繁殖・成長用プロバイオフード』です。
本記事は2018年夏に執筆したものを2020年、2021年、2022、2023年に加筆したものです。この記事では、メダカのお食事である餌について解説します。餌の量はどのくらい?餌は毎日与えたらいい??1日何回与えたらいいの?どんな餌[…]
この餌は比較的水に溶けにくく、パウダー状にすりつぶしやすいので稚魚期から大人までいろんなメダカに使えます。
ただし、指ですりつぶすとニオイがかなり臭い…というデメリットがあります。
観賞魚や熱帯魚の専門店が近くにない方は通販(特にAmazonや楽天)での購入をおすすめします。
専門店でも取り扱いの種類が少なくパッケージと価格で選ぶのはなかなか難しいものです。
通販では豊富な商品から購入者レビューを参考にしてあなたのメダカに合うエサを探すことができます。
メダカの稚魚の餌の頻度は?
メダカの稚魚に餌やりの頻度は重要です。1日3~4回は与えたいところです。メダカの稚魚は大人メダカと違って胃袋なども未発達です。
なるべくこまめに餌を与えるようにしましょう。メダカの稚魚が死んでしまう原因の多くは『餓死』ともいわれています。
口に入る大きさの餌を広範囲に与える
メダカの稚魚は非常に小さく、当然ながら成魚のメダカと同じ大きさの餌を食べることができません。
また、遊泳力も強くないので成魚のように広範囲を泳ぎ回って常に餌が稚魚の周りにあることが重要です。
そのため、水面に広がるパウダー状の餌を用意する必要があるのです。
メダカの稚魚にはどんな容器・水槽が良い?
メダカの稚魚と大人のメダカは分けて飼育しよう
まず、メダカの稚魚と大人のメダカは必ず分けて飼育しましょう。
孵化したメダカの稚魚は、大人のメダカと一緒に飼育していると、大人のメダカに食べられてしまいます。
メダカにとって口に入るサイズで動き回るものは餌として認識してしまうからです。
そのため、稚魚を育てるための容器を用意することが必要です。
メダカ稚魚にはどんな容器が最適?
メダカの稚魚用の容器のおすすめは、室内飼育の場合なら水槽かプラケース、屋外飼育なら発泡スチロール箱などです。
極端に言えば水が溜まるものならなんでもOKです。
我が家ではメダカ稚魚は水と浮草だけを入れた30cmくらいの発泡スチロール容器で育てていたこともあります。
大人メダカから水替え時や直接採卵などで卵を採取したら、その発泡スチロールにそのまま卵を入れてしまいます。
多少卵に水カビが生えてしまうこともありますが、メダカの卵はたくさんとれるのであまり神経質にならないようにしています。
広すぎず、狭すぎず
稚魚の容器は水質が安定する大きさならばなんでも良いというのがめだか水産の見解です。
小さすぎる容器だと餌やメダカの排泄物によって水質が悪化しやすくなり、稚魚がうまく育ちません。
逆に広い容器の場合、稚魚に餌を与えるときに広範囲に餌をまかなければならず、食べ残しが増えて水質の悪化につながる場合もありますので、食べ残しの餌には注意しましょう。
どのくらい経ったら大人と一緒に入れてOK?
生後3週間くらい経ち、遊泳力が強くなってきて大人メダカと混泳しても食べられないサイズになったら、大人メダカと混泳してもOKです。
生後3週間というのはあくまでも目安です。個体差や水温、餌の与える量や頻度によって成長速度は大きく異なります。
大人のメダカと一緒に育ててみて、餌をうまく食べているか、大きなメダカに追い回されていないかをしっかり確認しましょう。
まとめ
- メダカの繁殖は生後2週間の飼育が最も難しく、餌と飼育容器が重要
- 大人メダカ用の餌をパウダー状にすりつぶしたものでOK
- ゾウリムシの安定した管理や増殖は難しい
- 餌の回数は1日2~4回がおすすめ。少量を水面全体に
- 稚魚の容器は別で用意する。容器が小さすぎると失敗しやすい
観賞魚や熱帯魚の専門店が近くにない方は通販(特にAmazonや楽天)での購入をおすすめします。
専門店でも取り扱いの種類が少なくパッケージと価格で選ぶのはなかなか難しいものです。
通販では豊富な商品から購入者レビューを参考にしてあなたのメダカに合うエサを探すことができます。
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