秋のメダカの飼育環境とは
秋はメダカにとって快適な気温となります。
ただし、秋は気温が徐々に下がるため、メダカの水質やエサの回数、水槽掃除は注意しましょう。
メダカの水温や水質には注意
メダカは水温が25℃、水質が中性〜弱酸性が適しています。
9月は、メダカにとって快適な気温となり活発に動きますが、寒くなってくる10月後半くらいは、活動が鈍ってきます。
メダカは10℃以下の水温になると冬越えのために水槽の底で動かなくなり、じっとしてエサも食べません。
水槽の底は表面に比べると、水温が高くなります。冬でも活発な姿をみたい場合は、ヒーターなどで20〜25℃を保つようにしましょう。
また、水槽に発泡スチロールや新聞紙でくるんであげると保温になります。
メダカの飼育にヒーターを使用する時の注意
ヒーターで水温をあげる際は1日に1~2℃ずつ徐々にあげてください。急に水温をあげてしまうと、ショックで死んでしまいます。
稚魚や年をとったメダカは、体力が弱く水温が低いと死んでしまう可能性があるため、25℃前後を保ちましょう。
秋のメダカ飼育の水質について
水質は、ph5.8〜8.6の中性~弱酸性にし、水道水を使用する場合はカルキを抜きましょう。日本の水道水であればほぼメダカの好むpHの範囲内です。
水道水の薬品が入ったままメダカに使用すると、メダカの体に刺激を与えたり水中のプランクトンを殺してしまいます。
市販のカルキ抜きを使用するか、日光の当たる場所に1日以上汲み置きした水道水にしましょう。
ミネラルウォーターはphなどが大幅に違う場合があるのでメダカ飼育には決して使用しないでください。
グリーンウォーターはメダカが好む水
グリーンウォーターは緑藻類やミドリムシなどの植物性プランクトンが豊富でメダカが好む水のため、元気に育ちます。
水の色は濁った緑色で、中のメダカは見えにくくなりますが、猫や鳥などの天敵にメダカが襲われる可能性は低いです。
市販の「生クロレラ」を入れるか、直射日光を当てて1日以上おくとグリーンウォーターになります。
グリーンウォーターは進行し過ぎるとメダカが酸欠をおこすため、気を付けましょう。
メダカ1匹1リットルの水が入るケースを使う
メダカは1匹につき1リットル以上の水で飼育します。狭い水槽に数匹のメダカを入れていると縄張り争いをしてしまう可能性があります。
水草を入れて隠れ場所を作ってあげると精神的に落ち着き、繁殖をする場合は水草に卵をつけます。
ホテイ草を水槽に入れる際は、寒くなってくる秋の時期には注意しましょう。ホテイ草は、温かい水温を好み、15℃以下になると黒ずんでしまう場合があります。
11月の気温が下がってくる時期は、アナカリスやカボンバなどの水草がおすすめです。
エサやりの回数
エサは1日2回与え、1回3分ほどで食べきれる量にし、栄養のあるエサを与え冬を越しましょう。グリーンウォーターにすると、プランクトンがエサになります。
気温の低下とともに、活動量が低下していきエサもだんだん食べなくなります。メダカが食べきれる量を与えてください。
11月後半頃は、エサを12時〜16時の温かい時間帯に1日1回与えます。エサの食べ残しが多くなると、水の汚れの原因にもなるため注意しましょう。
冬場はほとんど動かないのでエサは不要ですが、メダカが水面に浮かんで活動している場合は少しだけ与えてみてください。
水槽掃除は冬になる前に終わらせる
水槽掃除は秋の間に終わらせましょう。冬場に水槽掃除をすると、水温の変化が激しくメダカを弱らせてしまいます。
寒くなる前に水槽掃除は終わらせて、冬場は水槽掃除をしないで、水が減ったら水足しをしましょう。
どうしても汚れが気になるなら、水の表面だけをすくって、新しい水を足します。水をすくうときは、かき回さないように注意してください。
水槽の底は表面より温度が高いため、メダカは底にいます。かき回すことで表面の冷たい水が底の方にまわってしまい、せっかくあたたかい底の方にいたメダカが水温の変化で体調を崩す可能性があります。
メダカは水温の急激な変化に弱い生き物のため、水槽掃除は冬になる前に終わらせましょう。
秋のメダカの繁殖と稚魚飼育のやり方
秋はメダカの繁殖に適しています。秋生まれの稚魚には栄養の豊富なエサを与え、冬が越せるように飼育していきましょう。
繁殖方法
メダカの繁殖は、日照時間は10時間~13時間以上、水温25℃以上の条件で4月から9月に繁殖します。
9月は気温が落ち着くため繁殖環境を整えやすいです。冬でも、日照時間はLEDライトなどで調節し、ヒーターを使用して25~30℃に保つようにすると繁殖できます。
20℃以下の低い水温では、卵の中で成長できなくて孵化しません。気温が低くなってくる秋の時期は水温に注意しましょう。
健康なメスはほぼ毎日、20個~30個の卵を産み、水草に卵をつけます。卵は、親と一緒だと食べられてしまうため、卵を産みつけた水草は別の水槽に移し替えましょう。
卵は10日から2週間で孵化します。この期間も水温は25℃前後を保ち日照時間は13時間以上が必要です。また、卵の状態でも酸素は必要のためエアレーションを設置しましょう。
稚魚飼育にはグリーンウォーターがおすすめ
稚魚の飼育には、グリーンウォーターがおすすめです。グリーンウォーターなら、泳ぐ力が弱い稚魚はいつでもエサが食べられて栄養も豊富なので元気に育ちます。
特に秋に生まれた稚魚は冬を超えられるように、栄養豊富なエサを与えましょう。
春生まれのメダカより体は小さくなる可能性はありますが、繁殖ができないなどはありませんので冬を超えられるように管理しましょう。
エサは、稚魚専用が販売されていて、1日4〜5回を5分で食べきれる量を与えましょう。
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