今年はメダカの飼育にチャレンジしてみませんか?
めだか水産広報部では食べる魚だけではなくペットとして愛でる魚も紹介しています。食べる魚もペットの魚も、どちらも愛してこそ真の魚好きといえるのではないでしょうか。ということで今回はメダカの飼い方について解説していきます!2023年の最新情報をお届けします。
メダカの飼育はコツをおさえれば子供でも簡単!
メダカはご家庭で飼育できる魚の中でも最も容易に飼育できる種類といえるでしょう。※ただし極端に品種改良されたメダカは近親交配などの影響で遺伝的に弱い品種や個体も多いため、導入する際には注意が必要です。
小学生のお子様でも正しい知識があれば簡単に飼育することができます。筆者が最初にメダカを飼い始めたのは小学校3年生くらいです。両親は飼い方を知らなかったので自分で本を読んで調べた記憶があります。
はじめてメダカを飼う場合は、飼育や導入に失敗して死なせてしまうこともあるかと思いますので、1匹数十円~数百円までの価格の安い個体を選ぶのが良いでしょう。
メダカ飼育の魅力は以下の記事で紹介しています。
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メダカを飼うときに必要なもの
水槽または鉢
メダカを飼育する際には大きく分けて屋内飼育と屋外飼育になると思います。屋内の場合は水槽やプラケース、屋外の場合は鉢やプランターなどがメインの飼育容器になるでしょう。
最も鑑賞しやすいのは室内の水槽です。さすが魚を鑑賞するためだけに存在するものですから、透明度や使い勝手の点ではばっちりです。
横から観察することでメダカの調子を見ることもできますので、水質の変化や産卵、求愛行動などを確認することもできます。
水槽のデメリットとしては、コケが生えるのでメンテナンスする必要がある、ということでしょう。
メダカは熱帯魚を飼うときに使うようなガラス製やアクリル製の水槽でなくてもじゅうぶん飼育することができます。我が家ではホームセンターで販売されているNFボックスやNVボックスと呼ばれる道具箱も使用しています。安くて丈夫でなかなか気に入っています。
水が漏れなければ容器はなんでもよく、極端な話ではビニール袋のようなものでもじゅうぶんに飼育は可能です。
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カルキ抜き
水道水にはメダカにとって有害な塩素などが含まれている場合があります。カルキ抜きは固型タイプ(ハイポ)と液体タイプがあります。好みで選んでいいと思います。最近ではなんとダイソーなど100円ショップでも液体タイプのカルキ抜きが販売されています。
アクアリウムやメダカは凝りだすとどんどん出費してしまうなんてことがありがちなので、メダカや水草などの生体以外はとにかく安く抑える!というのもおすすめです。
液体タイプはホームセンターやペットショップ、アクアリウムショップなどで数百円で販売されています。テトラ社のコントラコロラインなどが有名です。また、バケツなどに汲み置きして1日太陽光に当てておけばカルキ抜きと同じ効果を得られます。
我が家では固型タイプのカルキ抜きを使っています。一番大きな理由は『とにかく安い』こと。液体タイプと比較すると数倍の量を中和できるので非常に経済的です。
あといくつかの理由としては『液体タイプのカルキ抜きはフタを閉めるのが面倒』『こぼしたときや投入時に指や服に液体が付着するのがイヤ』などが挙げられます。このへんは好みの問題なので使いやすいものを使うと良いでしょう。
カルキ抜きについての話はこちらの記事も↓
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メダカの餌
メダカが健康に生きていくためにはもちろん餌が必要です。品種改良が進んで色とりどりのメダカが生産されているこのメダカブームの真っ只中、アクアリウムショップでは一袋1000円近い高額な餌が販売されていることも珍しくありません。
ただ、ご家庭でヒメダカや野生メダカなどのじょうぶな品種を飼育するのであれば高額な餌は決して必要ではないと考えます。少ない費用でもメダカはじゅうぶんに飼育することができるのです。
おすすめはキョーリン『メダカの舞』シリーズです。浮上性が高く、粒の大きさを選べるので非常に使いやすいです。我が家では『メダカの舞 スーパーオレンジ』と『メダカの舞 ネクスト』を使用しています。
砂利
砂利はなるべく敷くようにしたほうが良いです。鑑賞しやすくなる効果はもちろんですが、それ以上に、砂利の凹凸に通称ろ過バクテリアなどの微生物が住み着くことで水質を安定させる効果があります。
ろ過バクテリアなどの細菌類は、餌の食べ残し、水草の枯れ葉、メダカが排出した糞などの有機物から発生する有害物質のアンモニアを、毒性の低い『硝酸塩』に換える働きをしています。
ネット上では赤玉土を使用している方が多いようですが、水がけっこう濁るのとメンテナンスしにくいことから初めてメダカを飼う方にはあまりおすすめしていません。我が家の水槽ではコトブキ工芸の『ろかジャリ』を使用しています。
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フィルター・ろ過器(いわゆるブクブク)は必要?
よくいただく質問で「ブクブクは必要?」というのがありますが、メダカの数と容器の大きさによっては必ずしも必要ではありません。ブクブク(以下、ろ過器)の機能は主に2つあります。飼育水に酸素を供給する機能と水をろ過する機能です。
熱帯魚などのアクアリウムではろ過器は必須の器材ですが、メダカは基本的に非常に丈夫な生き物です。大きな容器で少ない数で飼育していれば、ろ過器が必要になることはありません。むしろ狭い水槽で外掛けフィルターなど水流量が多いろ過器を使ってしまうと、稚魚が弱ってしまう可能性があるので注意しましょう。
もちろん定期的な水替えを行う前提ですが、目安としては水量1リットルあたり成魚1匹くらいの割合であればろ過器は必要ないといえるでしょう。それ以上に過密に飼育する場合はろ過器の設置が必要になってくると思います。
水槽で多数のメダカ飼育にはフィルター設置がほぼ必須メダカを飼育する際には大きく分けて室内の水槽での飼育か、屋外で鉢やプラケースなどでの飼育になるかと思います。最近は横から観察するいわゆる『横見』でも楽しめるメダカが増えてきたので[…]
メダカのオスメスの見分け方
メダカを飼育する際には繁殖も楽しみの一つ。複数のメダカを飼育しているのにぜんぜん卵を産んでくれない!と思ったら全部オスだった、なんてこともありますので自分で見分けられるようにしておきましょう。
メダカのオスの特徴
- 背びれが大きい
- 背びれの付け根に切れ込み・裂け目がある
- 尻びれが平行四辺形に近い
- 尻びれが大きい
- 腹びれがメスよりも小さい
メダカのメスの特徴
- 背びれの付け根に切れ込み・裂け目がない
- 腹びれがオスよりも大きい
- 尻びれが三角形に近い
悪質なショップから購入するとオスばかりになることも
悪質なネットショップなどからメダカを購入すると、オスばかりだった!ということもよく聞きます。メダカの繁殖を目的にしている人にとっては卵を産んでくれるメスのほうが価値が高いと見られがちです。信頼できるショップから購入するようにしましょう。私もメダカを20匹購入したらオスが16匹、メスが4匹だったなんてこともありました。
メダカをお迎えする準備
メダカを飼育する前にも準備が必要です。メダカを健康的に迎えられるようにしましょう。
水槽をセットしておこう
まずは肝心の水槽をセットしておきましょう。汲み置きした水道水またはカルキ抜きした水道水を水槽や鉢に満たしておきましょう。
砂利は洗うのがけっこう大変
砂利もしっかり洗っておきましょう。砂利を入れた直後はどうしても水が濁ってしまいますので、できればメダカを迎える前日かそれより前には準備しておきましょう。
水合わせ
温度合わせ
買ってきた袋に入っている水と、飼育する水の水温は意外に異なっているものです。温度によるショックを防ぐため飼育する予定の水槽に20~30分ほど浮かべておきます。
水質合わせ
コップなど小さな容器で飼育予定の水槽の水を袋に少しずつ入れて水質に慣らしていきます。5分おきくらいに10回ほど繰り返すと間違いないでしょう。メダカと袋の中の水を一緒に入れて水合わせ終了です。メダカ飼育ではここまで神経質になる必要はないかもしれませんが、近年の改良メダカにはけっこう水質に敏感なものも多いので気を付けましょう。
餌やりの量と回数
餌は思っているより少な目に与えよう
初心者やお子様がメダカを飼育する際にありがちなのが、餌をやりすぎて水質がすぐに悪化してしまいメダカが死んでしまうパターンです。
2分で食べきれる量を1日1~2回
目安としては2分で食べきれる量を1日1~2回です(成魚の場合)。幼魚や稚魚の場合はもう少し頻繁になります。
冬場や水温が低い日は少な目に
メダカは人間と違って周りの水温の影響を受けやすい動物です。(変温動物という言葉もありますが最近ではあまり科学的に用いられなくなってきています)
そのため冬場や朝方、雨の降った日など気温の下がるときにはほとんど餌を食べなくなることもあります。そんなときに餌を与えすぎてしまうことで食べ残しが発生し水質が悪化する、なんてこともありますので注意しましょう。
餌の量の目安を動画で紹介しています↓
メダカは越冬できる魚ですヒメダカや黒メダカ、青メダカ、楊貴妃、みゆきメダカといった改良メダカは、日本にいるメダカを品種改良して出来たメダカなので、日本の冬を越すことができます。冬が明ける頃には色も上がり、より綺麗なメダカを見るこ[…]
水替え頻度はどのくらい?
水替えタイミングはずばり『水が汚れる前に換える』
水換えは基本的に水が汚れる前に行いましょう。毎日観察しているときに『ニオイが発生している』『水が微妙に濁ってきたかも』とか『水の色が少し変わってきた』『汚れが底に溜まっている』『苔が少し生えてきた』などが目安になります。
水替え頻度は週1~2回、1/3から1/2を目安に
水換えのタイミングがわからなければ、週に1回から2回、1/3から1/2の量を交換しましょう。しかしこれは飼育しているメダカの量や季節、餌の与え方などで大きく異なります。目安として、水量1リットルにつき1匹の飼育であれば、週に1回から2回、1/3の量の水換えで済むと思います。
春から夏はメダカの活性も非常に高くなり、餌を与える量やメダカのフンも多くなるため水換えは頻繁に行いましょう。
水替え不要にすることは可能なのか?
水替えせずに足し水だけで維持できる水槽や鉢を作ることは可能です。飼育するメダカの数を少なく、水量は多く、バクテリアの住み家となるろ材や砂利をたっぷり、という環境なら水替えの頻度を減らせます。我が家のメダカビオトープはずっと水替えせずに元気にメダカが育っていました。
水替えについてはこちらも↓
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メダカの繁殖・稚魚の飼育方法
メダカ飼育の楽しみといえばなんといっても繁殖です!うまく飼育できていれば毎日のように卵を産みますので、うまく次の世代を残してあげましょう。
産卵を確認したら稚魚用の容器を準備しよう
お腹に卵をくっつけて泳いでいるメスのメダカを確認したら、さっそく稚魚用の水槽を準備しましょう。水槽といっても水がたくさん入る容器であればなんでもかまいません。我が家では10Lくらいの容器を使用しています。水槽の数を増やせないのと手間を考慮して、卵から孵化後2週間~1か月くらいは同じ容器で一緒に育てています。水替えは行いません。
小さすぎる容器だと水質がすぐに変化してしまいます。洗面器などでもOKですのでなるべく大きな容器を用意してあげましょう。
稚魚メダカが孵化した!餌は?水替えは?
メダカの卵は産卵後およそ7日~14日くらいで孵化します。また、水温が高いほど孵化は早くなります。積算温度250℃(たとえば25℃なら10日)で孵化するといわれています。10月ごろに産んだ卵は水温が低いと孵化しない可能性があります。ヒーターを導入するなどしたほうが良いかもしれません。
生まれた直後から稚魚用の餌を与えるようにしましょう
よく言われている『餌は生まれてから数日は与えなくても良い』というのは誤りだと思っています。生まれたばかりの個体でも元気に餌を食べます。ここでは餌の与え方と稚魚におすすめの餌を紹介します。
餌はいろいろあるけど成魚用の餌をすりつぶせばOK
プロのメダカブリーダーの間ではゾウリムシを培養したり、最近ではメダカの稚魚専用の餌も販売されていますが、成魚メダカ用の餌をすりつぶせば問題なく成長します。
うまく育たない原因はたいてい餌か水質悪化が原因
稚魚がうまく育ってくれない、死んでしまう場合は餌と水質を確認しましょう。餌はきちんと食べているか?食べていなければ餌の大きさをもっと細かくするなど工夫が必要です。また、稚魚は成魚に比べて内臓が未発達です。なるべくこまめに餌を与えるようにしましょう。
稚魚が育たない、死んでしまう原因のもう一つは水質にあることが多いです。餌をついつい与えすぎてしまっていて、残り餌が沈んで溜まっている(成魚は底の餌を食べることができますが稚魚は水面の餌しか食べません)など、水質が悪化する原因を突き止めて改善するのが大事です!
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