本記事では、メダカの冬越しのポイントについて解説します。
水深や水温、容器は何を使うべき?水面の氷対策など、気になる冬越しのコツを確認しましょう。
※本記事ではメダカが冬場に活性が下がりほとんど動かなくなる状態を「冬眠」と呼んでいます。
外気温の変化を避けるため水深は必要
メダカの室外での冬越しには、ある程度の水深が必要です。
浅い飼育容器だと、外気温の変化に水温が大きく影響します。
メダカは日本の広い範囲に生息する寒さに強い生き物ですが、1日の激しい水温の変化には弱く最悪の場合死んでしまいます。
また、外気温が低く飼育容器の水がすべて凍るとメダカも一緒に凍りついて死んでしまいます。
水深があると、空気に触れる表面が凍りついても、メダカは底の比較的温かい場所でじっとして冬眠のような状態になります。
水量20リットル、深さ15〜20センチ以上の飼育容器でメダカを飼育し冬越ししましょう。
発泡スチロールで冬越しさせる
飼育容器を発泡スチロールに変えて冬越しに備えましょう。
発泡スチロールは保温性と断熱効果があり、昼間に温まった水温を夜まで保ってくれます。
水温の急激な温度変化をせずに昼間に温まった水温を徐々に低下させてくれます。
そのため、冬場は発泡スチロールの飼育容器がおすすめです。
発泡スチロールは強度はあまり強くないため、強い衝撃を与えないように気をつけましょう。
また、水を入れると大変重くなりますので容器を移動する場合は慎重に行いましょう。
水面が凍りつかないように対策をする
水面を凍りつかせないために対策をします。
「エアレーションする」「水面に発泡スチロールを浮かべる」「ビニールハウスなどの防寒シートを水槽に巻いて保温」「ヒーターを設置」などで水温ができる限り上がるように対策しましょう。
エアレーションを使用する場合は、弱い水流になるよう調整してください。強すぎる水流はメダカの冬眠を妨げてしまいます。
また、水面の冷たい水がメダカの冬眠している温かい底の方まで回ってしまいます。エアレーションは水面だけが動くほどの弱さにしましょう。
ビニールハウスは、日中の日当たりの良い場所に設置すると冬でも内部が高温になる可能性があります。飼育容器の設置場所には注意しましょう。
ビニールシート以外にも、発泡スチロールに飼育容器ごと入れたり段ボールを飼育容器に巻いたりして防寒対策をしましょう。
冬でも晴れ間の日中は、日当たりの良い場所に飼育容器を設置していると水温が上がり、日が落ちると水温が下がります。
寒さに強いメダカですが、1日の水温差があまりにも大きいと温度変化に耐えられずに弱ったり死んでしまう可能性があります。
屋外の冬越しの場合は、できる限り日が当たり、1日の気温の変化が小さい場所に飼育容器を設置しましょう。
冬の時期はエサやりは不要
基本的に真冬の時期はにエサは与えなくて大丈夫です。
メダカは冬になると水の底でじっとして、ほとんど活動をしません。そのため、エネルギーを消費しないのでエサは食べなくなります。
秋の食欲のあるうちに、メダカの体力をつけさせるためにエサを与えてください。
冬でも日中の温かい時間、メダカが水面近くを泳いでいるときには1分で食べ切れる量だけ与えてみましょう。
室内の場合は、エアコンを使用していたりヒーターを設置していたりするとメダカは冬眠せずに活動しているので、エサは通常通りの量を与えます。
メダカの様子をしっかり観察してエサの量を決めてくださいね。
食べ残しがあると、水が汚れ水質が悪化します。水質が悪化すると、メダカを弱らせる原因になります。寒さに耐えているのに、水質の悪化で体調を崩して冬越しできない可能性もあるので、気を付けましょう。
メダカが冬眠中は水替えができないため、エサは与えすぎないようにしてください。
冬は足し水だけ
冬のメダカの水槽は、水が減ってきたときに足すだけで大丈夫です。
冬眠中の水替えはメダカのストレスになり体力を奪ってしまうため、水槽掃除は秋に行ってください。
また、冬の間はエサやりをほとんどしなくていいので水が汚れるスピードは緩やかです。
蒸発した分の水を足してあげて水深を確保しましょう。
足し水の際は、水道水をメダカ用カルキ抜きでカルキを抜き、水槽の近くに置いて水温を合わせます。水温が同じ温度になったら、ゆっくりと水槽に入れましょう。
水替えの際に水流が出るほど勢いよく入れてしまうと、メダカに無駄なエネルギーを使わせてしまい、弱ってしまう場合があります、
足し水は飼育環境と水温を合わせ、カルキ抜きをして、慎重に行いましょう。
メダカの隠れ場所を作る
メダカが安心して冬眠できるように、隠れ場所を作ってあげましょう。
屋外に設置していると、鳥や猫などの外敵に襲われる可能性があります。冬眠中のメダカは動きが遅いので、外敵に狙われないためにも隠れ場所は必要です。
流木や大きめの石、水草、浮草などがあると体を寄せて安心できます。
他にも、すだれやフタをすることで飼育容器全体が安全な隠れ場所になります。また、雨や雪をしのいで、雪による水質変化を防ぐことが可能です。
フタをする際は完全に閉めてしまうとメダカが酸欠になります。水草も酸素不足で育たなくなるため隙間を開けてフタをしましょう。
稚魚老魚は室内へ
秋に産まれた稚魚や老魚、弱っているメダカは体力がないため室内で飼育することをおすすめします。
防寒対策をしても冬越しできずに死んでしまう可能性があります。
稚魚や老魚は室内で飼育し、水温を一定に保つようにして飼育しましょう。
秋に産まれた稚魚は、1.5〜2センチくらいの大きさに成長していれば、屋外でも冬越しできる可能性があります。心配ならば、室内にいれてくださいね。
まとめ
メダカの冬越しのポイントは以下のとおりです。
- 外気温の影響をできるだけ避けるため深めの飼育容器を使用する
- 水面に発泡スチロールを浮かべる等で凍結対策をする
- 餌は基本的に不要、水面を泳いでいたら少量与える
- 足し水は飼育環境と水温を合わせ、カルキ抜きをして、慎重に注ぐ
- 隠れ場所を作ってあげる
- 老齢魚、稚魚は室内飼育がおすすめ
メダカは日本の環境に適応した非常に丈夫な魚ですが、飼育方法を誤ると寿命が短くなったり死んでしまったりすることがあります。
メダカが元気に春を迎えられるように工夫しましょう。
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