メダカの飼育は難しい?
メダカの飼育は、初めて生き物を飼う方には難しいと思われがちです。しかしコツさえおさえておけば子どもから大人まで誰でも簡単に飼育することができます。むしろメダカは本来飼育できる魚の中では最も手軽に飼育できる種です。
本記事ではメダカの飼育において失敗しがちなポイントと、飼育が難しい原因、そして元気にメダカを育てるためのコツを紹介します。
メダカ飼育で難しい・失敗しやすいポイント
メダカの飼育でつまづいたり失敗するポイントはだいたい皆さん同じではないでしょうか?
初心者がメダカ飼育で失敗しがちで難しいと思う代表的なポイントがこちらです。
元気な個体を入手することが難しい
メダカが長生きしない、または1週間程度で死んでしまうといった原因は、そもそも元気な個体を入手できていない場合があります。
ペットショップやホームセンターで1匹数百円~千円以上と熱帯魚なみの高価格で販売されているメダカは、実は遺伝的に体質が弱い場合があります。
近年の改良メダカブームの影響で珍しい体色や体形のメダカが出回るようになりましたが、そういった珍しい種類は近親交配のため遺伝的に体質が弱く、飼育が難しい場合が多いです。
そのため、はじめてメダカを購入する際はあまり高価な種類ではなく安い種類を購入することをおすすめします。
ヤフオクなどで珍しいメダカを見つけると欲しくなってしまう気持ちはわかりますが、初心者には飼育が難しく非常にリスクが高いといえます。
元気な個体を選ぶコツについては後述します。
水質悪化の見極めが難しい
2週間から1ヶ月ほどでメダカが死んでしまった、という場合には水質の悪化が原因である場合があります。
ついつい関心を失って水替えをサボってしまったり、餌をあげすぎて水質が悪化してしまったりといった失敗がありがちです。
水質を良好に保つことは、後述するコツをおさえておくことと、水替えをしっかりしていれば難しいことではありません。
稚魚を繁殖・育てることが難しい
メダカを数か月飼育維持して産卵するところまでは行ったけど、稚魚の育成が難しくて失敗してしまう…。
たしかに、メダカの飼育で最も難しいポイントは稚魚の育成だと思います。同時に繁殖が最も面白いポイントでもあるのですが。
しかし、メダカが産卵するまで健康に育てることができたのなら稚魚の育成もコツをつかむだけです。
メダカ飼育で難しい点・失敗しやすい点を乗り越えるコツ!
では、上記の失敗を乗り越えるコツを紹介します。メダカの飼育は、知識を得ることと観察を怠らなければ決して難しいことではありません。
初心者がつまづきやすいポイントを理解して、元気なメダカを長生きさせましょう。
元気な個体を手に入れるコツ
まず最初の難しいポイントに挙げた元気な個体を手に入れる方法です。
珍しい種類(品種)は避ける
この記事を読んでくださっている方はすでにメダカの通販サイトもたくさん御覧になっていることかと思いますが、通販サイトで販売されている珍しい種類は前述のとおり体質的に病気になりやすかったりして、飼育が難しい場合があります。
改良品種メダカの中でも値段のこなれてきた「みゆきメダカ」や「楊貴妃」などの種類はそこまで飼育が難しくありませんが、成魚が1匹500円以上するようなメダカは飼育が難しい場合があるため、初心者の方が最初に飼育するのは避けましょう。
シーズンになるとホームセンターなど身近なお店でもきれいなメダカが販売されるようになりますが、初心者の方は珍しくて価格の高い種類は避け、なるべく安いメダカを選ぶことをおすすめします。
初めてメダカを飼育する方へのおすすめは「白メダカ」「黒メダカ」「青メダカ」「みゆきメダカ」「楊貴妃」あたりが健康な個体も多く、比較的飼育も簡単です。
元気なメダカを見分けるコツ、見分け方
次に元気なメダカの見分け方ですが、いくつかのコツがあります。体形や行動のポイントとしては下記のようになります。
- 各ヒレ(尾びれ、背びれ、尻びれなど)がぴんと張っている
- 背骨が曲がっていない
- ふっくらした厚みのある体形
- 餌や人間にすぐ反応する
といっても普段からメダカをしっかりと観察していないとこうしたポイントに気付くことも難しいかもしれません。
そんな時はお店の方になるべく元気な個体を選んでくださいと伝えると良いでしょう。※お店によっては個体を選べない場合もあります。
もしこのポイントに該当するメダカがいない場合は無理に購入せず、信頼できる通販サイトなどを利用するのも一つの手です。
水質悪化を見極めるコツ
次に難しいポイントは水質の管理、すなわち水質が悪化してたときの見極めでしょう。
白濁りやニオイの発生は赤信号
最初にメダカを飼育して水質の変化を感じることがあるとすれば、飼育水が白く濁ってしまったときと、飼育水からニオイが発生したときでしょう。
これはどちらもメダカにとっては非常に危険な状態です。気づいたらすぐに1/3程度の水を交換しましょう。
この記事では詳しく述べませんが、過密飼育や餌の与えすぎなどでバクテリアが機能せずろ過がうまくいってない場合に白濁りやニオイが発生する場合があります。
水替えはメダカの健康維持に非常に効果的
メダカをはじめとする観賞魚の飼育方法には必ず、週に1/3~1/4程度の水替えをするように書いてあるはずです。
毎年たくさんのメダカを室内の水槽で飼育している筆者からすると、やっぱり水替えは健康な飼育に欠かせないポイントです。
ホームセンターやペットショップなどでは「バクテリアの素」や「水替え不要になる薬」などがよく販売されていますが、そういった薬品よりも単純な水替えが一番効果があると思います。
なるべくこまめに水替えすること、それだけ覚えておけば水質の管理は難しいものではないでしょう。逆に、水替えを怠るとメダカの体調悪化や病気の原因になります。
稚魚育成のコツ
メダカの飼育で最も楽しく、同時に初心者にとって最も難しい点でもあるのが稚魚の育て方ではないでしょうか。何度挑戦しても卵は産んでくれるけど稚魚が育たない、という声を聴くことも多いです。
しかし稚魚の育て方はいくつかのポイントをおさえておけばそこまで難しいことではありません。
大人メダカと稚魚の飼育容器を分ける
大人のメダカと稚魚を一緒にすると、稚魚はすぐに大人のメダカたちに食べられてしまいます。
メダカはミジンコやアカムシ、ボウフラのような目の前の水中に漂うプランクトンを餌としています。
そのため、それがたとえ自分の産んだ卵から生まれたメダカの稚魚であっても、大人メダカには餌にしか見えないんです。
ここからが失敗せず稚魚をうまく育てるコツ。飼育容器の中にメダカの卵を見つけたら、まずは大人のメダカと分けて管理してあげるようにしましょう。
メダカの卵は意外にも殻がしっかりしていて、手で軽く触った程度ではつぶれたりすることはありません。
大人メダカと同じように水槽など飼育容器を立ち上げて、稚魚用のお部屋を作ってあげましょう。決して難しいことではないですよね?
餌のサイズと量に要注意
稚魚が無事に孵化したら、次のステップは自由に泳げるサイズまで育てることです。
生まれたばかりの稚魚は本当に小さく、もちろん大人用の餌は食べられません。また、食べる量も非常に少ないため与える餌の量に注意が必要です。
メダカの稚魚は体がまだしっかり完成しておらず、うまく泳ぐことができません。表層を浮かんで少し移動することしかできず、底に沈んだ餌は食べることができません。
そのため食べ残した餌はそのまま水中の汚れとなって水質を悪化させてしまいます。
稚魚用の容器はこまめにスポイトなどで底の汚れを吸い出すことと、必要以上に餌を与えすぎないように注意が必要です。ここが難しいポイントかもしれません。
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詳しい育て方については別ページでも解説しています
稚魚の餌はどうやって与えたらいいの?容器はどんなものがいいの?など、稚魚の育て方については別の記事で詳しく紹介しています。
ここではざっくりした解説しかしていないため、下記リンクから詳細な情報をご覧ください。
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ポイントをおさえておけばメダカの飼育は決して難しくない!
ここまで記事をご覧頂きありがとうございます。上に説明したような3つのポイントをおさえておけば、メダカの飼育は決して難しいものではありません。
これまで解説した、初心者が飼育するうえでのコツをおさらいしておきましょう。
- 品種に注意し、元気に泳ぐじょうぶな個体を手に入れる
- 水質悪化を見極め、こまめな水替えをする
- 卵を産んだら大人と分け、餌の量と食べ残しに注意
それでは、皆さん楽しいメダカライフを送ってください。
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