イワシとニシンの違い

イワシとニシンの違いをプロが解説!見分け方や分類、旬の違いもあった!

当たり前すぎて普段誰も意識しないイワシとニシンの違い。ではっ皆さんはどこがどのように違うか説明できますか?

このページでは、旬の時期や生物学的な違い、両者の見分け方や食べ方の違いなどを解説します。

イワシとニシンの違いをプロが解説!見分け方や分類、旬の違いもあった!

分類の違い

イワシ(マイワシ)
分類:ニシン目ニシン科マイワシ属
英名:Japanese sardine
学名:Sardinops melanostictus
これは現在豊漁のマイワシ
これは現在豊漁のマイワシ
イワシ(マイワシ)はニシン目ニシン科マイワシ属に分類される魚類です。実は広義的にはニシンの仲間だったんですね。しかし、イワシと呼ばれる魚には他にカタクチイワシやウルメイワシなどがあります。カタクチイワシはカタクチイワシ科なので、ニシンとは離れた仲間です。

マイワシは1990年代に漁獲量が激減しましたが、現在では徐々に資源量が増えているといわれています。これからイワシを使った食品が流行ってくるかもしれませんね。

ニシン
分類:ニシン目ニシン科ニシン属
英名:Pacific herring
学名:Clupea pallasii

ニシンはニシン目ニシン科ニシン属に分類される魚類です。日本国内にはニシン属の魚は本種しか生息していないようです。食用としてイワシとともに非常に重要な魚種です。

日本のニシン漁全盛期(19世紀後半)には『鰊御殿』と呼ばれる豪華な家が建つほど漁獲量が多く、ニシン漁による一つの文化が形成されているほどでした。『ソーラン節』もニシン漁の様子を表したものです。

イワシとニシン、両種は比較的近い仲間のようですね。他にどのような違いがあるのか調べてみました。

旬の時期の違い

では次に旬の時期の違いについてみてみましょう。旬のにもいろいろな定義があり、身に脂がのって美味しい時期を指すこともあれば、卵(卵巣)や白子(精巣)を蓄える時期や、たくさん獲れる時期のことを指すこともあります。

一概に旬だからといって食べて美味しい、というわけではないことに注意しましょう!

イワシの旬は初夏から秋

イワシの旬はなんといっても初夏から秋でしょう。とくに7月ごろの梅雨時期に獲れるイワシは『入梅イワシ(にゅうばいわし)』といって重宝されます。

なぜこの時期が旬なのかといえば、もっとも脂がのる時期だからです。脂ののったイワシは口に入れるととろけるほど。塩焼きにすると脂が滴りとっても美味しいですよ。

そして、この時期に脂ののったイワシを餌をして食べるので、秋から冬の時期に大型の魚が旬の時期を迎えるのではないでしょうか。

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これくらいのサイズが大羽いわし
脂の乗ったマイワシの刺身。血合いの上にある白い部分が脂です。EPA,DHAがたっぷり
脂の乗ったマイワシの刺身。血合いの上にある白い部分が脂です。EPA,DHAがたっぷり

ニシンの旬は春

ニシンの旬の時期は春です。身が美味しいというよりは、たくさん獲れるという意味での旬、それから卵や白子の美味しい時期という意味での旬であるといえます。

かつては産卵のために大量の群れで接岸したニシンを網で漁獲していました。現在では定置網、刺し網、底引き網などで漁獲されています。

ニシンは代表的な『春告魚(はるつげうお)』です。この魚が獲れる時期になると、もう春なんだなぁと感じられるのです。春告魚にはほかにメバルやサワラなどがあります。

食べ方や利用方法の違い

それぞれの食べ方にも非常に大きな違いがあります。食材としての両種を見ていきましょう。

イワシの稚魚はシラス

イワシ(とくにカタクチイワシ)の稚魚はシラスとしていろいろな食べ物の材料になります。そのまま食べれば生シラス、茹でたら釜揚げシラス、茹で上げたものを干したのがシラス干しです。

成魚になればお刺身やお寿司、丸干しなどの干物に利用されます。食材としての利用が幅広いのがイワシの特徴ですね。

ニシンの卵はもちろん数の子

ニシンの卵はご存知のとおり数の子です。身よりも卵のほうが高値で取引され、高級なものは1kgあたり数万円にもなります。数の子は塩数の子や味付け数の子、干し数の子などに加工されます。

漁獲時期がおもに春なので栄養も卵にもっていかれており、身にはあまり脂がこってりのることがありません。身は『身欠きニシン』として加工されることが多いです。身欠きニシンは甘露煮にしてにしんそばの具の材料になったり、山椒漬けなどのにしん漬け、燻製などの材料になります。

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